外国人技能実習制度とは?《介護業界》

日本の介護に興味を持つ外国人

「日本の介護職員は高度な技術を持っている凄い人達!」

 他の記事でも何度も言っていることですが、日本の介護は凄い技術を必要としています。

 そして、それを当たり前のようにやっているのが日本の介護職員です。


 それを

「誰にでも出来る仕事」

「底辺の集まり」

なんて自分達で言ってしまっているのが本当に残念で仕方がありません。


 この辺りについてはまずこちらの記事をお読みください。


 そんな凄い日本の介護について外国人からの注目が集まりつつあるようです。

 それを後押ししているのが外国人技能実習制度だと思います。


「何故そのように感じるのか?」

と言うと、私のサイトにも日本以外の国からのアクセスがそこそこあるからです。

 これは偶然ではないと思います。


 その証拠に、私の兄弟サイト

【元警察本部警察官が教えます!】

に海外からのアクセスはほぼありません。


 日本人の興味は介護よりも圧倒的に警察なのですが、外国人からすれば

《日本で公務員にはなれない》

ので、海外のサイトを見るまでの興味は湧かないんだと思います。




外国人技能実習制度

 介護も外国人技能実習制度の対象となりました。

 そのため、貴方の施設でも受け入れようと思えば、外国人実習生を受け入れることは可能です。


 そこで今回は受け入れる際に知っておかなければならない事を簡単にご紹介して行こうと思います。


 受け入れるための手続きに関しては省略します。

 受容があるなら記事を作成しますが、今のところ需要は薄そうですので。



<労働力として受け入れてはいけない>

 外国人技能実習制度の目的は

《発展途上国の自国において習得困難な技術を習得し、自国に持ち帰って自国を発展させるため》

です。


 そのため、外国人技能実習生のことを労働力として扱ってはいけないんです。

 いや、これでは少し語弊がありますかね。


 実習中は介護職員として働きますので、戦力になり得ます。


 しかし、

「介護職員を募集しても全然応募がないから、外国人実習生を受け入れれば良いんじゃない?」

という考えはダメと言うことです。


 将来的に日本での労働力として育てているわけではないと言うことですね。


 そのため、原則3年で帰国させなければなりません。

 あくまでも目的は発展途上国の発展のためですからね。


 要は《世界社会への貢献》という感じの制度ですね。



<不当な取り扱いをしてはいけない>

 悲しいことに、このように外国人を受け入れるとなると、不当に扱う事業所が出てきます。


 介護ではありませんが、貴方もテレビ等で

「パスポートを経営者に奪われて安い賃金で働かされている外国人」

「寝泊まりする狭い部屋に何十人と詰め込まれている悪住環境」

等々と見たことはありませんか?


 このような不当な労働をさせてはいけないと言うことです。


「そんなの分かっているよ!」

と思うかもしれませんが、案外そのように思っている事業所でもやりがちです。


 何故なら、先程も言ったように、この外国人実習生は将来自分の事業所の労働者にはならないからです。


 介護現場でも、普段から(福祉専門学校等の)実習生への扱いと常勤との扱いを明らかに分けている施設はありませんか?

 それは何でですか?


「実習生はどうせすぐにいなくなる。自分の施設の職員になるわけじゃないから」

「指導してあげているのはこちらなんだから、こちらがお金を貰いたいくらいだ」

等々の考えがあるからではありませんか?


 パスポートを奪う等までいかないにしても、この外国人実習生に対してはそのような扱いもしてはいけないと言うことです。


 だから

「そんな酷い扱いしないよ」

と考えている施設でも、やってしまいがちなので注意が必要と言うことです。



<通報・罰則制度>

 不当な扱いを受ける等のときに実習生は国等の機関へ通報することが可能です。

 その不当な取り扱いに応じて事業所は罰則を受けます。


 罰則と言うのは行政指導による改善指導だけではなく、犯罪として刑罰を受けると言うことです。


 当然ですよね。

 外国人だろうと、日本人だろうと、相手は人間です。


 その生きている人間を不当に扱って

「所詮実習生だろ?実習生にそんな扱いをして何が悪い?」

なんて態度の事業所を許せるはずがないですからね。


 労働上、事業所と労働者に上限関係はありません。

 お互いの契約行為によってその関係が成り立っているに過ぎません。

 そこをはき違える経営者がいるようですね。


「経営者ならそんな基本的な法律程度はキチンと学び、倫理観を持ちましょう」

と言うことですね。




介護業界における外国人技能実習生

<介護は人と関わる仕事>

 他の受け入れ可能な業種はを扱う技能です。

 しかし、介護は物ではなくを扱うので、他の業種にはない特別な条件等が大きく3つ設定されています。

  • 介護が「外国人が担う単純な仕事」というイメージにならないようにすること。                                    
  • 外国人について、日本人と同様に適切な処遇を確保し、日本人労働者の処遇・労働環境の改善の努力が損なわれないようにすること。              
  • 介護のサービスの質を担保するとともに、利用者の不安を招かないようにすること。

 他の業種が満たすべき条件にプラスして、これらの条件も満たさないといけません。


 これだけでは少し分かり難いと思いますので、もう少し詳しく紹介します。



<外国人が担う単純な仕事としない>

 これの具体的な事例はないようなので、私の見解になります。


 これは恐らく、

《外国人に単純な仕事ばかりさせるな》

と言う意味と、

《外国人実習生のレベルに合わせるな》

と言う意味かと思います。


 先に言った通り、外国人実習制度は日本の高度な介護技術を母国に持ち帰らせることが目的です。


 それなのに、掃除ばかりさせるとか、清拭たたみ、食堂片付け等々、

「誰にでもできる、特別介護技術が必要ではないことばかりさせてはいけません。」

と言うことだと思います。


 更に、現在高度な介護を外国人実習生のレベルに合わせない事。

 施設によっては一時的とはいえ、とても戦力として、貴重な存在として受け入れることもあると思います。


 そのため、あまりに大切にし過ぎて、実習生が戦力として働けるレベルにまで介護レベルを落としてしまう施設を懸念しているのかと思います。


「まぁ、それでも問題ないよ!」

となぁなぁになる部分が多くなり、日本の介護の質が落ちないようにとの注意喚起だと私は受け取りました。


《~~なイメージにならないように》

なので、世間からのイメージを意識しろという要望でもありますね。


 これは恐らく、外国人実習生を受け入れたことが理由で日本の介護が

「介護なんて日本語がキチンと出来ない外国人、しかも実習生でもやれる、誰にでも出来る低レベルな仕事」

と思われないようにして下さいと言う意味だと思います。


 外国人実習生を受け入れていなくても低レベルな施設もあるかもしれませんが、この決まりはあくまでも、

《外国人実習生を受け入れたことが原因で》

と言うことです。



<実習生の処遇を確保し、日本人職員の処遇改善の努力を損なわないようにする>

 外国人実習生の処遇は、日本人の介護職員と同じにするよう努力して下さいと言うことですね。

 これは、先に言った不当な扱いをしてはいけないと被る部分ですね。


 問題は後半部分です。

《それによっては日本人介護職員の処遇改善の努力を損なわない》

どう言うことでしょうか?


 これは恐らく、外国人実習生と日本人介護職員の処遇を同じにするために、日本人介護職員の処遇を悪くすることを防ぐためだと思います。


 外国人実習生の処遇を日本人に合わせる手段は、外国人実習生の処遇を良くする手段だけではありません。


 悪どい事業所では

「日本人介護職員の処遇をもっと悪くすれば外国人実習生の処遇も悪いままで条件を満たせるじゃん!」

と考え得ます。


 つまり、日本人介護職員の処遇を悪くするキッカケとして外国人実習生を受け入れるのは禁止と言うことですね。


「日本人介護職員の処遇は今より良くしつつ、外国人実習生の処遇はその日本人介護職員と同じにしなさい!」

と言うことですね。



<介護の質を担保し、ご利用者の不安を招かない>

 これはご利用者のことを考えての決めごとですね。

 若い人でも結構そうですが、昔ながらな人だと特に

《外国人》

と言うだけで怖がることがあります。


 ここはどうしても日本は閉鎖的な島国ですから仕方がない部分かもしれません。


 その感覚をご利用者に

「慣れろ!」

と言うのはあまりに横暴です。


 だから、

「外国人に介護をされる抵抗感、不安を出来るだけ軽減させる努力をしないと実習生を受け入れてはいけません」

とご利用者のためを思っての決めごとだと思います。


 これは人種差別どうこうではなく、ご利用者の心への寄り添いです。


 この部分に関して、最低限の取り組みに関しては国が条件を付すことで”ある程度”対策されています。


 日本語能力検定試験何級以上とか、自国での介護の実務経験年数とか、日本の介護の勉強何時間以上とか、様々な条件を満たした外国人しか実習生になれないようです。


 その上で、

「受け入れる各施設でも、ご利用者が外国人実習生に介護されることへの不安を出来るだけ取り除く努力をして下さい!」

と言うことだと思います。


 もっと現場に沿った言い方をするなら、嫌がっているご利用者に対して

「人がいないんだから仕方がないでしょう!」

と言って外国人実習生に介助をさせてはいけないと言うことですね。




最後に

 色々と取り決めがありますが、最後に簡単にまとめると要は

「外国人実習生も、日本人の常勤職員と同じように受け入れてね!」

と言うことですね。


 外国人からの介助を嫌がるご利用者部分も、日本人介護職員だけの現場でも当たり前に対応していますよね?


「この人嫌だ!大嫌い!」

なんて、理由もなく嫌がることってありますよね?


 そんな時は他の職員が介助しませんか?

 それと同じですよね。


 外国人だからやらせないと言うよりも、ご利用者が嫌がるから他の職員がやると言うだけの話ですよね。


 だから、

「外国人実習生も、日本人の常勤職員と同じように受け入れてね!」

と言うだけの話です。


 それを

「外国人実習生だから」

と言うだけの理由で不当に扱ったり、施設の形を変えてしまう施設が出てくる事を懸念しているわけですね。


 だから、外国人実習生を受け入れても、今までと何も変わらず、邁進していける施設は特に知らなくても問題ない決めごとです。


 今は地域社会への貢献として介護業をしていると思いますが、世界社会への貢献もやってみませんか?



「ところで、この記事を書いている貴方はどなた?」

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