人から信頼を得て、頼られるために最も必要な事は意外な”あれ”だった!

信頼し頼る時に最も重視することを考える

 貴方は

《人が他人に信頼を寄せ、頼る時に最も重視すること》

は何だと思いますか?


 私の周りは介護関係者が多いので、具体的には

《ご利用者が信頼し、頼るために介護職員や施設に最もなければならない事は?》

と聞きます。


 どちらの質問でも良いので、貴方は何だと思いますか?

 介護職員にこの質問をするとほとんどの人は

「笑顔かな?」

「安心できる人間性でしょ」

「高い知識やスキル」

「その人のためを思って行動する気持ち」

等々のような回答が来ます。


 もちろんそれらはどれも重要だと思います。

 しかし、本当にそれらは、根本になければならない最も重要な事柄なのでしょうか?




人が他人を信頼し、頼る時に最も重視することの研究

 実は、人が他人を信頼し、頼る時に最も重視することの研究をした社会学者がいます。

 その人物と、その研究資料はもう10年以上も前に見たモノでして、覚えていません。


 研究内容しか記憶にないので、すみません。


 その社会学者がこの研究をする際に対象としたのは、被災者です。

 昨今日本では様々な大災害が発生しています。

  • 阪神淡路大震災
  • 新潟地震
  • 東日本大震災
  • 熊本地震
  • 広島の土砂災害で有名な豪雨
  • 台風15号による千葉県の大停電

等々。


 そのような大災害に被災した人達は一体何を最も信頼して、頼るのでしょうか?


◎、全国から集まる救助能力が高い自衛隊や消防、警察でしょうか?

◎、良心から本当に被災者のことを考えて行動してくれるボランティアでしょうか?

◎、協力し合える同じ被災者でしょうか?


 それらに対しての声もゼロではなかったようですが、残念ながら違います。

 大災害の被災者が最も信頼し、頼る対象。

 それは

《地元の行政機関》

です。




何でそれを頼るのか?

 何故地元の行政機関、つまり役所を最も頼るのでしょうか?


 普段からほとんどの住民は

「仕事が遅いな。暇そうにしてるくせに」

のような悪態ばかり付いて、普段は役所へのイメージなんて悪いのに、何故最も信頼して頼るのでしょうか?


 そこに、人が他人を信頼し、頼る上で最も重視する事柄があるからです。


 一体、スキルの高い全国から集まった自衛隊や消防、警察、被災者思いのボランティア、同じ境遇の被災者同士等々になく、地元の役所にあるモノとはなんでしょうか?


 それは、

《存在し続けること》

です。


 どんなに酷い状態でも、どんなに復興が進んでも、地元の役所は無くなりません。

 常に地元に居続けます。


 福島の原発からの復旧の際も、まず最初に役所の開設が最初ですよね。

 つまり、住民が居ない状態でも地元の役所はそこに居続け得る状態なわけです。


 全国から集まる自衛隊や消防、警察。

 被災者のために全力を向けるボランティア。

 同じ被災者

等は全部いつか居なくなります。


 自衛隊等はある程度救助や復興が進めば居なくなります。

 ボランティアもある程度ライフラインが戻れば急激にいなくなりますし、個人個人を見れば、ボランティアの都合が優先されるので、いつ居なくなるか分かりません。


 同じ被災者の場合は確かにご近所さんは一緒に居られる可能性は高いです。

 しかし、被災状況等によっては別の地域へ行ってしまい得ます。

 それに相手も被災者なので、頼るのは気が引けます。


 地元の役所は居なくならないんです。

 そして、頼ることに躊躇させるような要素もありません。


 だから大災害の被災時に最も頼る存在となるそうです。




介護に置き変えて考える

<ご利用者に信頼される介護職員とは?>

 人を信頼し、頼るために最も重視することは、そこに居続ける存在であること。

 本サイトは介護に関するサイトなので、介護に置き変えてみます。


 ご利用者が介護職員や施設を信頼し、頼るために最も重視することは、そこに居続ける存在であること。

 と言い換えられると思います。

 先ほどまでの研究結果は確かに被災者を対象にした研究でが、この研究結果は介護施設でも当てはまると思います。

 もう少し詳しく見て行きましょう。



<能力が高いだけでは信頼は得られない>

 この研究結果を知らない時に考えた、多くの介護職員が、

「最も重視すると思うこと」

で見ていきます。


 笑顔が多く、素晴らしい笑顔の介護職員。


 裏表がなく、ご利用者のためを考え行動できる温かみのある、人間性の高い介護職員。


 ご利用者に不安や恐怖を与えることのない。

 待たせることもない、高いスキルを持っている介護職員。


 ご利用者のことを常に考え、ご利用者主義を貫く介護職員。


 確かに素晴らしいですが、これらを持っている職員でも、いつ退職するか分からない、退職率の高い施設だったらどうでしょうか?


 ご利用者の立場で考えてみて下さい。

 高い能力や人間性を持っているけれど、いつ居なくなるか分からない職員のことを信頼し、頼り切ることは出来るでしょうか?


 恐らく難しいと思います。


 何故なら、信頼し頼っていた相手が退職等でいなくなる事。

 この時に受ける感情は

《強い喪失感情》

だからです。



<介護職員の退職は喪失感>

 介護施設に入所しているご利用者の多くは、既に人生における強い喪失を経験している人が多いです。

 配偶者を失う喪失ですね。


 何なら、配偶者を失った喪失感に押し潰されて、一気に認知症が進行して施設入所なんてご利用者も少なくありません。


 ご利用者はそのレベルの喪失感はもう味わいたくないわけです。

 だから、職員の入れ替わりが激しい施設の職員のことを信頼し、頼ることは出来ないんです。

 最初から信頼しなければ、喪失感は味わなくて済みますからね。



<部下後輩に厳しい職員は害悪>

 このことを知らずに、新人職員に必要以上に厳しく、ネチネチと怒鳴り続けている介護のベテランや看護師が多いのですが、その行為は

「ご利用者の信頼なんて知らん!そんなモノどうでも良い」

と言っているようなものなんですね。


 退職率が高い施設には必ずそのような害悪となる職員が存在します。


 彼ら・彼女らは、自分達のせいでご利用者から、心からの信頼を得られていないと言う現状を自覚すべきだと思います。


「ご利用者のために職員に厳しくする」

と言う主張は介護施設では真逆なことであると知るべきです。


 自分達の専門分野の知識・スキル向上だけを追い求めて、部下・後輩に必要以上の厳しさを強要し、ご利用者の人としての心の部分は見ない。

 こんな職員は害悪でしかありません。


 もっとも、そのような職員はご利用者から信頼を得られていないという状態に気付いてすら居ないんでしょうけどね。


 もしも貴方がそんな考えの職員なら、今すぐご利用者の心と向き合って下さい。

 そして、既に失われている部下・後輩との関係性を繋ぎ直す努力をして下さい。

 自身の無知から立ち切った関係性であり、貴方の無知のせいで失ったご利用者からの信頼ですよ!


 いつも部下や後輩に貴方が言っているように、自身も《ご利用者のために》努力をして下さい。

 そのための手段等についてはこちらをどうぞ。

【やる気向上・組織改変等】




最後に

 貴方の施設、職場はいかがですか?

 退職者数、入れ替わりは激しい方ですか?

 それとも、長年勤めている職員の割合がとても多い職場ですか?


 ご利用者や顧客、契約先からの信頼を得たいなら、まずは職員の退職率を減らすことです。


 信頼するための土台がない状態で職員のプロ意識やスキル向上等の小手先な対策をしても信頼は得られません。


 貴方は大切な人のために、そこに居続けられる存在ですか?



「ところで、この記事を書いている貴方はどなた?」

と疑問に思った貴方は私の自己紹介もご覧ください。

>>>ふたひいとは何者?

 私は介護に関してこのように

◎、曖昧なまま使われている部分

◎、時代の変化についていけるような情報

◎、介護に対するやる気の向上

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