千代田区長による、刑事告発を不信任決議だと解釈している問題を分かりやすく説明します。『貴方の町にも関係ある知識!』

 現在(2020年7月30日)東京都千代田区である出来事が起きています。

 東京都千代田区の区長さんが、虚偽が許されない百条委員会で、虚偽の申告をしたとして刑事告発される事になりました。

 

 その事を受けて、千代田区長さんは

「それは私への不信任ということですね!」

と解釈をして、区議会を解散させようとしています。

 

 これだけ聞くと、

「何となく分かるような、何も分からないような」

なんとも歯切れの悪い状態だと思います。

 

 そこで今回は、この出来事は一体どういうことなのか?

 誰にでもわかりやすく説明していきます!

 

 内容としては

◎、百条委員会とはなに?

◎、不信任で議会解散とはなに?

◎、千代田区内で今起きている問題

◎、貴方の町にも関係する!

このような流れになっています。

 

 この記事を読む事で、今日本の中心である東京。

 その中でも中枢の一つである千代田区で何が起きているのかを知る事が出来ます。

 

 今千代田区で起きていることが、他の市区町村にどのように影響してくるのかを知る事ができます。

 役所だけの話ではなく、私達に具体的にどのような影響があるのかも知る事が出来ます。

 

 出来るだけわかりやすくを重視してお話していくので、一緒に見ていきましょう!

 

 

 

東京都千代田区で起きている事『百条委員会とはなに?』

 結論:『地方議会が発動できる裁判みたいな場』

 

 まずは、この問題の根幹にある

『百条委員会』

について簡単に説明します。

 

 これは地方自治法第100条に規定されている地方議会の権限の一つです。

 100条に書かれているから百条委員会と呼ぶんですね。

 

 ではどんな権限か?

 それは

『地方公共団体の事務に関する調査を行う権限』

です。

 

 そして、その調査のために必要であれば、関係者の出頭、証言、記録の提出等をさせる事が出来ます。

 

 ここでの調査結果の信ぴょう性を持たせる為に、これらの要求に対して

◎、出席しない

◎、記録を提出しない

◎、虚偽の申告をする

等を行うと、処罰される事になっています。

 

 まさに裁判と同じような権限ですよね。

 裁判でも虚偽の申告をする等は犯罪になりますからね。

 

 そして今回の出来事では、千代田区長さんが

『百条委員会で虚偽の申告をした!』

と疑われているわけですね。

 

 だから、千代田区議会は

「区長が百条委員会で虚偽の申告をしたので刑事告発をします!」

と言っているわけです。

 

 これが大前提の出来事です。

 

 何を調査されているのかまで手を伸ばすと、混乱しますので、ここでは言いません。

 

 この記事ではあくまでも

『今千代田区では何が起きているのか?』

だけに注目して説明していきますのでご了承下さい。

 

 

 

東京都千代田区で起きている事『不信任で議会解散とはなに?』

 結論:『長と議会はけん制し合っている!』

 

 今千代田区で起きている出来事には

『千代田区長』

『千代田区議会』

の2つの登場人物が出てきます。

 

 一見すると

「区長と区議会って仲間でしょ?なんで争ってるの?」

と思うかもしれません。

 

 しかし、区長と区議会は仲間ではないんですね。

 では一体どういった関係性なのでしょうか?

 

 それは

『お互いをけん制し合う関係性』

です。

 

 これはどういったことなのか更に深掘りして説明します!

 

 

<区議会が区長を監視している>

 区長は様々な公共事業を行ったり、決定する権限を持っています。

 いわゆる千代田区の最高責任者です。

 

 一方の区議会は、そういった区長や区長の部下等(行政機関)を監視する者です。

 区長等だけで物事を判断し、行動させていたら何をするか分かりません。

 

 何か不正をしても分かりません。

 だから監視する立場の者が必要なんですね。

 それが区議会です。

 

 では区議会は区長に対してどんな事が出来るのでしょうか?

 その一つが先ほども言った百条委員会です。

 

 そこで区長や役所の人達の不正行為を調べる事が出来るわけです。

 

 他にも区議会が出来る行動が

『不信任』

です。

 

 これを簡単に説明すると

「区長辞めろ!」

と正式に通達することです。

 

 もちろん、正当な理由がないとこれは出来ません。

「区長を辞めろ!」

と強く言えるだけの悪い事を、区長がしていないと言えません。

 

 このように区議会は区長の部下や仲間ではなく、区長等を監視し、場合によっては区長を辞めさせることも出来る人達なんですね。

 

 これが議会が区長を監視する目線でした。

 

 ここで思い出して下さい!

 先ほど、

『お互いがけん制し合っている』

と言いました。

 

 つまり、区長も区議会に対して何かしらアクションを起こせるわけです。

 

 では一体区長は議会に対して何が出来るのでしょうか?

 

 

<区長が区議会に行えること>

 区長は理不尽に区議会に絡まれると役所サービスが滞ります。

 これは結果として区民に悪影響となります。

 

 そのため区長は区議会に対して同じレベルの強い権限を持っています。

 それは

『不信任が出されたら、区議会を解散(全員クビ)させる事が出来る』

 

 つまり、

「区長辞めろ!」

と言われた時点で、区議会議員全員を無職にする権限があるんです。

 

『お互いがお互いを無職に出来る権限を持っている』

と考えると分かりやすいかもしれませんね。

 

 ただし、区長としては、自分の仕事をやっていて、区議会に絡まれない限りは何の問題もありません。

 

 だから、区長は区議会に対しては

「区長辞めろ!」

と言われたときだけ限定でやり返せるわけです。

 

 区長と区議会の関係性が何となくイメージ出来ましたか?

◎、区議会→区長 : 監視し、不正があれば「辞めろ!」と言える

◎、区長→区議会 : 「辞めろ!」と言われたら区議会議員達全員を無職に出来る

 

 では、これらを踏まえて、今東京都千代田区で起きている出来事を見ていきましょう!

 

 

 

東京都千代田区で起きている事『千代田区内で今起きている問題』

 結論:『刑事告発は不信任かどうか?』

 

 今東京都千代田区で起きていることをもう一度思い出して下さい。

①、区長が百条委員会で虚偽の申告をした。

②、だから区議会は刑事告発を決定した。

③、区長は刑事告発を「不信任だ!」と解釈した

④、区長は区議会を解散させると宣言(「区議会議員全員無職!」という事)

こういうことです。

 

 そして、区議会の人達は

「いやいや、区長が悪いことをしたからその責任を追及しているだけで、辞めろとは言っていない!」

と主張しています。

 

 一方の区長は

「刑事告発=犯罪だろ?なら辞めろと言っているのと同じじゃないか!」

と主張しています。

 

 ただの主張だけなら紛糾するだけで終わるのですが、主張だけではないから問題がややこしくなっているんですね。

 

 区議会は刑事告発を不信任だとは思っていないので、区長に議会(≒大事な会議)への参加を要求しています。

 

 一方の区長は解散したと思っているので、

「そもそも参加する議会がないじゃないか!」

と主張して出席を拒否しています。

 

 そこで注目されているのが

『刑事告発は不信任なのか?』

という部分なんですね。

 

 このままの状態が続けば、恐らく裁判になると思います。

 法は解釈の学問なので、このように解釈の違いで対立が起きることはよくあることです。

 

 そんな場合には裁判で決めることになるんですね。

 この辺りの法律に興味がある貴方はこちらをどうぞ!

>>>【法学の面白い部分】法学は暗記の学問ではなくクリエイティブな学問!初心者にもわかりやすく説明します

 

 私個人的な意見を言わせてもらうと

「新型コロナで騒がれているこの時期に、そんな子供みたいなやり取りをしている場合ですか!?」

です。

 

 これはあくまでも私個人の感想ですけどね。

 貴方はどう思いますか?

 

 

 

東京都千代田区で起きている事『貴方の町にも関係する!』

 結論:『全ての国民に関係してくる問題』

 

 ここまでの話を聞いて貴方は

「それって東京都千代田区の話でしょ?私関係ないじゃん!」

「私が住んでいるのは東京と関係ない田舎です!」

そんな風に思ったかもしれません。

 

 しかし、そうとも言えないんですね!

 何故か?

 その理由は、このやりとりは法律の話だからです。

 

 法律とは全国で守らなければならない決まり事の事です。

 そのため、問題になっているのは千代田区ですが、この問題が裁判になり、何かしらの結果が出れば、その結果は

『今後貴方の町にも適用される』

ということになります。

 

 問題が起きているのが千代田区だったので、区長、区議会と表現してきました。

 しかし、長と議会の関係性はどこでも同じです。

 

 つまり、

『市区町村長』と『市区町村議会』

『都道府県長(知事)』と『都道府県議会』

『総理大臣』と『国会』

も関係性は今回の問題と同じなんですね。

 

「刑事告発が不信任になるのかどうか?」

 これはこれら全てに直接的に関係してくる話です。

 

「そうはいっても、政治家の話でしょ?私達には何も関係ないじゃん」

と思うかもしれません。

 

 しかし、関係はあるんです!

 何故なら、議会が解散されると早急に選挙を行わなければならないからです!

 

 長は不信任でクビにされても、次の長が選挙で決まるまでは仕事を続けなければなりません。

 一方の議会議員は選挙が行われるまで不在になります。

 つまりその間は長を監視する人がいないんですね!

 

 更に、多くの国民がいつも口うるさく言っている

『税金』

 選挙をするとなると何十億円もその税金が使われます。

 

 本当に意味のある選挙なら仕方がありませんが、長と議会の小競り合いからの選挙だとしたらムカつきません?

 だから私達にも無関係ではないんです!

 

 安易に

「長は退任しろ!辞めろ!」

と感情的に主張する人がいますが、それはつまり

「税金を沢山使って選挙をやり直せ!」

と言っているのと同じなわけですね。

 

 そこまで知らずに、安易に感情だけでこのような問題を見るのがいかに危ないかご理解いただけましたか?

 

「その行為や問題は果たして、本当に何十億円もの税金を使ってまで追求すべき問題なのか?」

良く考えなければならないのかもしれませんね。

 

 

 

まとめ

それでは

千代田区長による、刑事告発を不信任決議だと解釈している問題をわかりやすく説明します。『貴方の町にも関係ある知識!』

についてまとめて終わりにします。

 

 百条委員会とは

 議会が不正を調査するために持っている、裁判のような権限

 

 不信任で議会解散するとは

 議会は長を監視し、不正があれば退職を求められる。

 長は議会に退職を求められたら、議会を解散し、全員を無職に出来る。

 

 千代田区内で今起きている問題

 区議会は、長を刑事告発する事を決定。

 区長は、刑事告発は不信任だと捉え、議会の解散を決定。

 

 区議会は、刑事告発と不信任は別とし、会議への出席を求めている。

 区長は、議会は既に解散したのだから、出席する会議そのものがないと主張。

 

 貴方の町にも関係する!

 この問題は法律の争いなので、全国全ての都道府県・市区町村に関係する問題。

 長の退職、議会の解散が行われると必ず選挙が行われる。

 選挙には1回で何十億円もの税金が掛かっている。

 

 

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