【新人介護職員は必読!】食事介助の基礎知識。

2020年10月12日

「食事介助って具体的に基礎から教えて貰えないままやらされるんですけど!」

「せめてこれだけ知っておく必要がある!という基礎があれば便利なのに!!」

「自分が食事介助をするといつもご利用者がムセてしまい、全然ご飯が食べられないんです!!!」

そのように悩んでいる介護職員さんはいませんか?

 

 そこで今回は

『新人介護職員向け、食事介助の基礎知識』

についてです。

 

 この記事を読む事で

◎、「食事介助の方法や知識を教えて貰えないままやらされる!」という新人介護職員さんは食事介助の基礎を知ることが出来ます。

◎、食事介助の基礎を知ることで、ご利用者にムセ込みや苦痛な食事をさせないで済みます。

◎、レベルの高い介護職員になるための第一歩を踏み出せます!

 

 それではそんな食事介助の基礎知識について見て行きましょう!

 

 

 

個別ケアを意識することが最も大事

 これから食事介助時に意識しておくべき、注意点を4つほど解説します。

 

 しかし、どのことにも言えることとして、これだけは忘れないで下さい。

『食事介助はご利用者一人一人に合った個別ケアが特に大事』

 

「ふたひいさんが”これが良い!”と言ったからそれが正しい!」

ではなく、これは基礎であって、全てのご利用者に当てはまるとは限りません。

 

 介護の基礎はあくまでも個別ケア。

 つまり、今目の前にいるご利用者一人一人に合った介助をすることが重要です。

 

 そのことを一番に考えた上で、食事介助時に意識すべき4つの点とは

①、麻痺している側に食事を入れない

②、水分の適切なタイミング

③、一口の適切な量

④、適切な嚥下速度

です。

 

 それではこれらの注意点について更に深掘りして行きましょう!

 

 

 

食事介助時に意識して注意すべき4つのポイント

<①麻痺している側に食事を入れない>

 麻痺側に食べ物を入れてはいけません。

 

 麻痺側は

『嚥下能力も含めて麻痺している』

そうです。

 

 そのため、麻痺側から飲み込む事は不可能なのだそうです。

 

 もし飲み込んでしまったら、それは飲み込んでいるのではなく、落ちて入りこんでしまっただけ。

 つまり、誤嚥直行です!!!

 

 更に言うと、麻痺側に食べ物が入っていると、それだけで恐怖です。

 これは貴方でも体験出来ます。

 

 これは本当はやっちゃダメなことなのですが、

『歯医者に行き、麻酔が切れる前に食事をする』

 これをやると麻痺側にご飯を入れられるご利用者の恐怖心を理解できます。

 

 これって感覚がないので、麻痺部分を噛み切ってしまうレベルの大怪我リスクがあります。

 だから歯医者さんでは

「やっちゃダメ!」

と注意されるんですね。

 

 麻痺側の口に食事を入れる行為というのは、私達ですら

『絶対にやっちゃダメ!』

と言われているような危険なことを、ご利用者にやるのと同じなんですね。

 

 だから、麻痺側に食事を入れると誤嚥や口の中を噛んでしまうリスクが高くて危険だし

『恐怖心を与える』

わけです。

 

 是非覚えておいて下さい。

 

 

<②水分の適切なタイミング>

 水分は食事の前と後に摂取していただきましょう。

 これは嚥下のしやすさに大きく影響するためです。

 

 高齢者は唾液量が貴方よりも少ないです。

 そのため、水分で口の中を潤しておかないと食べ難いことが多いです。

 

 口の中が乾いていたら、最悪食べ物がのどに詰まってしまいます。

 それを防ぐ為にも、食事の前に水分を一口だけでも飲んでもらいましょう。

 

 食後に関しては私達と同じ理由です。

 口腔内をキレイにしたり、サッパリして

「ご馳走様でした」

をする意味合いです。

 

 従来特養を引き合いに出して申し訳ないですが、施設の口腔ケアなんてほとんどが雑です。

 

 口腔ケア後に口の中を覗くと

「まだ食べカスだらけやん!」

と言いたくなるレベルです。

 

 業務の忙しさなのか、介護職員のスキルの問題なのかは施設によるかもしれませんが、現実問題としてそのような状況がある以上は、せめて最後にお茶で口腔内をキレイにしておきましょう。

 その方が口腔ケアもしやすいですしね。

 

 これも、もし自分自身で体験したいなら、運動したり、入浴介助をした直後で喉がカラカラな時に食パンを食べて下さい。

 

 普通はまず最初に一口何か水分を飲んでから食べたくなりますよね?

 ご利用者も同じなんですね。

 

 

<③一口の適切な量>

 食事介助を行う際に使っているスプーンの大きさは施設によって違います。

 

 しかし施設が違えど、ご利用者が一口で食べられる食事の量に大差はありませんので、

『一口でどのくらいご飯を介助すれば良いのか?』

は知っておきましょう。

 

 それは概ね

『ティースプーン1杯分』

です。

 

 食事介助の難しいところで、

◎、口に入れる量が少ないと、飲み込み難い

◎、口に入れる量が多いと、窒息や誤嚥のリスクが高くなる

 

 つまり、一度に口の中に入れる食事量は

適量じゃないとダメ』

なんですね。

 

 そしてその適量の目安が

ティースプーン1杯分

なんです。

 

 分量に言い換えると

5ml、5cc

です。

 

 これを知らない先輩の介助を観察してみて下さい!

 スプーンに山盛りにして口の中に押し込んでいませんか?

 

 それはこの事を知らないのか、知っていても自己都合で介助をしている証拠です!

 貴方はそんな先輩のような介護職員になりたいですか?

 

 

<④適切な嚥下速度>

『お茶は10秒で1~2口まで』

『食事は飲み込んでから一度深呼吸』

このくらいの早さで介助をしましょう。

 

 是非この実験をやってみて欲しいのですが、

 今からスマホでも、時計でも良いので20秒測って下さい。

 その間に

『何回唾や空気を飲み込めるか?』

 

 多少個人差はありますが、6~10回位だと思います。

 10回くらい出来た貴方は、恐らく後半ノド、アゴ辺りが動かなくなる感覚を覚えたと思います。

 

 貴方が必死に

「よし、早く飲みこむぞ!」

と、飲み込む事だけに集中してもそれだけしか飲み込めません。

 高齢者だと概ねこの半分です。

 

 しかし、食事の際に

「よし、嚥下回数を早くするぞ!」

なんて意識しませんから、実際はもっとゆっくり嚥下します。

 

 そのため、高齢者が食事の時に食事を飲みこめる早さは

概ね10秒に1~2回

です。

 

 この早さは咀嚼しないで飲み込む早さです。

 そのため水分を介助する際の目安にして下さい。

 

 では咀嚼する場合の食事の速度はどうしましょうか?

 

 それは

飲み込んでから、深呼吸するくらいの時間を置く』

です。

 

 これをしないと、ご利用者は苦しくなってしまい、食事どころではなくなってしまいます。

 すると食事を食べなくなります。

 

 この辺りについてはこちらの記事をお読みください。

>>>【介護スキル】食事介助をしても口が開かない、ご飯を食べない高齢者の食事介助のコツ5選【原因を考える】

 

 

 

まとめ

 食事を口に入れる早さは

『飲みこんで、深呼吸してから』

としている通り、その人の飲みこむ能力に合わせて介助をする必要があります。

 

 このように、食事介助はご利用者一人一人に合った個別ケアが特に大事になってくるんですね。

 

 これらの食事介助の基礎を文章としてシッカリ確認したことで

「食事介助の方法や知識を教えて貰えないままやらされる!」

という新人介護職員さんは、少しは何に気を付けながら、どう介助をすれば良いのか分かりましたよね。

 

 食事は人が生きる上での土台です。

 そのため、レベルの高い介護職員になるためには食事介助スキルは必須です!

 貴方はその第一歩を見事に踏み出したわけですね!

 

 おめでとうございます!!!

 

 基礎を知ったところで、今日から自分の都合や時計を見ながらの食事介助ではなく、ご利用者を見ながらの食事介助をする事から始めてみましょう。

 

 もしも万が一、それが出来ない、許されない雰囲気の環境なら、貴方の働いている介護施設はご利用者のことを考えていない介護施設かもしれません。

 

 そのような介護施設ではいつか大きな事故が起き、その時にいた介護職員として今後貴方は巻き添えを受けて介護業界に居られなくなり得ます。

 私の感覚だとそんな介護施設は、退職・転職を考えても良いレベルですよ。

 

 

「ところで、この記事を書いている貴方はどなた?」

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