『ヒヤリハットと事故報告書の違いとは?』その線引きをわかりやすく説明します。

2022年11月24日

 どこの介護施設にもヒヤリハット(インシデント)・事故報告書(アクシデント)のシステムはあります。

 そこで多く聞かれるのが

「ヒヤリハットと事故報告書の違いってなに?」

「この出来事はヒヤリハットで書くべき?事故報告書で書くべき?」

という疑問です。

 この記事に辿りついた貴方もきっとそんな一人ですよね。

 

 そこで今回は

『ヒヤリハットと事故報告書の違いと線引き』

についてわかりやすさ重視で説明していきます。

 この記事を読む事で

◎、施設の事故防止が適切に機能する土台が出来上がります。

◎、曖昧なまま運用されているヒヤリハットと事故防止の違いが明確になります。

◎、「これはヒヤリハット?事故報告書?」と悩むことが減ります。

 それではそんなヒヤリハットと事故報告書について、一緒に見て行きましょう!

ヒヤリハットと事故報告書の境目問題

 大半の介護施設では、

◎、事故報告書は怪我を伴う・伴いそうな出来事のときに書く

◎、ヒヤリハットは事故に繋がりそうな出来事のときに書く

と分類されています。

 しかし、この分類の仕方だと

◎、具体的にどんな時に書くのか?

◎、どっちと判断が難しい出来事の場合はヒヤリハットと事故報告書どちらを書くのか?

という問題が発生します。

 

 そこでそれを分かりやすくイメージしてもらうために

①、ヒヤリハットと事故報告書の違い

②、ヒヤリハットの具体例

③、事故報告書の具体例

④、わかりにくいグレーな出来事を考える

この4点について更に深掘りしたいと思います。

 それでは行きましょう!

ヒヤリハットと事故報告書の違い

<①ヒヤリハットと事故報告書の違いを見分ける基準>

 ヒヤリハットと事故報告書を明確に分類する一つの基準としてわかりやすいのは

『発生した事案に対して、どう思うか?による分類』

です。

 具体的には、

◎、「危ない!?」と思った場合はヒヤリハット

◎、「大丈夫ですか?」と思った場合は事故報告書

です。

 

 ヒヤリハットは、事故が起きる前に書くものなので、

「大丈夫ですか?」

とはなりませんからね。

 事故報告書は、事故が発生した時に書くものなので、

「危ない!?」

は見当違いですからね。

 

 そのため、区別の仕方としては

「危ない!!!」

と思ったらヒヤリハット。

「大丈夫ですか?」

と思ったら事故報告書ということです。

 

『事故が起きそうならヒヤリ、事故が起きたら事故』

みたいに言葉で分類方法を言われるよりも、貴方自身の感情や出て来る言葉で分けた方が分かりやすいですよね。

 是非

「危ない!」

「大丈夫ですか?」

覚えておいて下さい。

ヒヤリハットの具体例

「危ない!!!」

と思ったらヒヤリハット。

 では具体的にはどんな出来事を書くのかを見てみましょう。

◎、立位不可のご利用者が一人で歩き出そうとしている

◎、ベッドのサイドレールの付け忘れ

◎、離床センサーのスイッチ入れ忘れ

◎、衝撃吸収マットの敷き忘れ

◎、与薬前に配薬ミスに気づく

等々。

 

 全部

「危なっ!」

と思いますよね。

 でも

「大丈夫ですか?」

とはなりません。

 だからヒヤリハットですね。

 では事故報告書はどうでしょうか?

事故報告書の具体例

 事故報告書は

「大丈夫ですか?」

となる出来事です。

 具体例

◎、ご利用者が転倒した(転倒)

◎、ご利用者がベッドから転落した(転落)

◎、ご利用者に内出血がある(外傷)

◎、ご利用者が食べ物じゃない物を食べてしまった(異食)

◎、違う人の薬を間違えて与薬してしまった(誤薬)

◎、ご利用者が別のご利用者を殴ってしまった(暴力行為)

等々。

 

 どれも

「大丈夫ですか?」

と声をかけるような出来事ですよね。

 既に起きてしまっているのですから。

 だからこれらは事故報告書という事になります。

 

 この観点で見ると、多くの施設で

「これってどっちなの?」

と悩まれている問題も解決しますよね。

 ここまで基準を見てきたところで、最後にありがちな具体例を考えて終わりにしたいと思います。

頻繁に見掛けるグレーな実例を考える

 どの施設でも

「これってどっち?」

と悩みガチな出来事が

『自立のご利用者が床に座り込んでいた場合』

です。

 

 これは座り込み事案としてだけ見ていると難しくなりますが、今回の基準で見るとそこまで難しい問題ではなくなります。

 まず座り込んでいた理由を把握しましょう。

 発見時の状況ややっていた行動を観察したり、会話ができるご利用者なら

「なぜ床に座っていたんですか?」

と聞きましょう!

 その上で

「危ないなぁ~」と思えばヒヤリハット

「大丈夫ですか!?」と思えば事故報告書です。

 

 もっと具体的には、床に座り込んでいた理由が

『床の掃除をするため』

『疲れたから座っていただけ』

ということなら、ヒヤリハットです。

 だって自分から目的があって意図的に座っていただけですからね。

 

 むしろそんな状況で大丈夫か聞いたら

「元々自宅では床や畳に座って生活していたんだから大丈夫に決まってるでしょ!?」

と怒られてしまいます。

 

 一方で

「何か作業をしようとして転んじゃった」

という事であれば事故報告書です。

 いくら自立の人でも転ぶことくらいあります。

 私達介護職員だって転ぶことはあるんですから。

 それはまさに

「大丈夫ですか!?」

なので事故報告書になります。

 

「危ない!」

「大丈夫ですか?」

で判断すれば、多くの施設で悩んでいるこんなグレーな出来事も簡単に解決するんですね。

 それを

「怪我の有無で判断しよう!」

とか

「座り込みは事故」

のように、見た目とか、出来事だけで中身を見ないで一律の基準に無理矢理当てはめて判断しようとするから逆に難しくなってしまっているだけなんですよね。

 

 是非この判断方法を覚えておき、貴方の職場でもこの類の問題が頻繁に発生していたら活用してみて下さい。

最後に

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