『ヒヤリハット報告書とはなにか?何の目的で書くモノなのか?』をわかりやすく説明します。

「ヒヤリハット報告書とは何ですか?」

 業務を行う上で、当たり前のように書いている人が多いと思いますが、改めて聞かれると

「書けと言われるから書いているけど、何のための書類なんだろうね?」

「介護職は必ず書くと言われる書類ですよね?まだ書いたことないけど知っておきたいです!」

等の声が多く聞かれます。

 

 そこで今回は

『ヒヤリハット報告書とはなにか?何のために書くのか?』

をわかりやすく説明していきます。

 この記事を読むことで

◎、ヒヤリハット報告書とは何のために書くモノなのか理解できます

◎、ヒヤリハット報告書の活用方法を知ることができます

 それでは、介護現場における、ヒヤリハット報告書について一緒に見て行きましょう!

①ヒヤリハット報告書とは

 ヒヤリハット報告書とは

『事故を予防するために、予兆情報を集めるための書類』

です。

 介護現場では事故を発生させたくありません。

 ではどのようにすれば事故を未然に防げるでしょうか?

 

 その一つとして、

『事故が発生しそうな状況を早期に把握し、その予兆段階でリスクを潰していく』

という方法があります。

 ヒヤリハット報告書は、そのような予兆を集めるための書類なんですね。

 たまに混同されがちな事故報告書との違いは

◎、事故報告書は、既に発生してしまった事故の再発防止

◎、ヒヤリハットは、事故を発生させないための予防

という関係性なんですね。

 事故報告書に関しては、こちらの記事をお読みください。

>>>『事故報告書とはなにか?何の目的で書くモノなのか?』をわかりやすく説明します。

 

 では、事故の予兆情報を集めて、ヒヤリハット報告書をどのように利用すると事故が未然に防げるのかを見て行きましょう!

②ヒヤリハット報告書の利用方法

 事故報告書は

『事故を発生させないように、予兆段階でリスクを潰すために使う』

です。

 ヒヤリハット報告書には、職員がビックリしたり、

「危ないっ!!!」

と感じた状況が書かれています。

 

 そしてその情報を元に、職場全体で

「その”一歩間違えたら事故に発展していたかもしれない状況”を発生させないためには、何をすれば良いのか?」

「どのような対策をしていけば良いのか?」

このようなことを検討するために使います。

 

 これは

『事故の予兆が減らせれば、その先にある事故そのものを減らすことができる』

という考えの元にあるので、予兆に関する情報を把握・分析していきましょう。

 折角時間と労力を費やして書いている書類ですので、ただの作業にするのはもったいない!

 キチンと活かしていきましょうね!

 

「この機会に、事故報告書の書き方とか、ヒヤリハットとの違いとか、もっと他にも色々と知りたいです!」

という人は、こちらのカテゴリーから知りたい情報を探してみて下さい。

>>>事故報告書関連カテゴリー

③ヒヤリハット報告書が上手く活きるようにする

<上手く活かせていない状態>

 ヒヤリハットの制度はあるけど、上手く活かせていない施設が沢山あります。

 その原因として

『ヒヤリハットと事故報告書を同じようなモノとして扱っているから』

という状況が多く見られます。

 具体的には、職員が

「これってヒヤリハット書く?書く必要はないかな?」 

なんて迷うことがあったら、その時点で上手く活かせていません。

 

 なぜなら、ヒヤリハット報告書は

『いかに情報が沢山集まるかが最重要だから』

です。

 そのため

「迷うくらいなら出しておこう!」

と全職員が思えるくらいな状態じゃなければ上手く活かせていないと言えます。

 ヒヤリハット報告書は、事故につながり得る出来事をいかに小さい内に潰しておけるかが重要なので、情報量が全てなんですね。

 それなのに、

「どうしようかなぁ?」

と悩む要素がどこかにあると、小さい間ではなく、事故になるかどうか紙一重くらい危険な状態の情報しか集まらないんですね。

 それでは、ヒヤリハットを上手く活かすことは出来ません。

<ヒヤリハットが活かせていない理由と改善策>

 では、職員が

「書くか?書かないか?」

と悩む主な原因と対応策を考えてみましょう。

 私が今まで見てきた施設の中で、この現象が起きている施設は主に

◎、ヒヤリハット報告書が始末書・反省文のような位置付け

◎、事故報告書並に書くのが大変

◎、ルールが複雑でワケがわからない

という状態が見られました。

 

 反省文のような立ち位置だと、まだ何も起きてはいないヒヤリハットの段階では多くの職員さんは見てみぬ振りをします。

 当たり前ですよね。

 何も起きていないわけですし、報告すると怒られるんですから、積極的に出すわけがないですよね。

 ヒヤリハット報告書は事故を発生させないための貴重な情報なのですから、反省文ではなく、むしろ事故防止のための功績として評価すべきですね。

 今日から

「ヒヤリハット報告書を出してくれて、ありがとう!」

という扱いにしましょう。

 

 事故報告書並に書くのが大変な施設もありました。

 ヒヤリハット報告書は沢山件数が集まってくるのが重要なのですが、一軒一軒書くのが大変だったら、これもやはり積極的に書くわけがありません。

 介護現場での書類作成は主に、休憩時間・終業後に作成します。

 疲れてヘロヘロな状態でそんな時間に、書くのが大変なモノを書きたいわけがありませんからね。

 これも職員が見てみぬ振りをするようになります。

 書く内容は必要最小限にして、1分もあれば書けるくらいに簡略化しましょう。

 

 ルールが複雑でワケがわからない状態の施設もあります。

『ヒヤリハットと事故報告書の区別が複雑すぎて、毎回責任者に聞かないとわからない』

『書いた報告書を提出する場所や部署が多かったり、ファイルに閉じるような事務作業が複雑』

等々ですね。

 これも作成するのが大変という部分で、職員は見てみぬ振りをするようになっていきます。

◎、ヒヤリハットは、ケガをしていない時に書く

◎、事故報告書は、ケガをしたり、痛がっている時に書く

◎、書類は主任の机に置いておくだけ

くらい簡潔明瞭なルールにしておきましょう。

 

 このような状況にある介護施設では実際に

『ヒヤリハットの件数 < 事故報告書の件数』

なんて現象が起きています。

 具体的な数字を言うなら、ヒヤリハットが月15件くらい、事故報告が月30件なんて状態でした。

 この場合は、ヒヤリハットの件数は300件前後はないとおかしいので明らかに少なすぎます。

 

 このような状況にある施設では、明らかにヒヤリハットの報告件数が少なすぎることが問題なのですが、

「事故が多すぎる!何とかして事故を減らせ!」

「もっとヒヤリハットを事細かく書くようにして、予防していくぞ!」

と見当違いなことで大騒ぎしているんですよね。

 事故が多いのなら

『ヒヤリハットを出すことを高評価し、手間を極力減らすこと』

です。

 まずはそこからです。

 事故が多くてどうしようもなかったり、ヒヤリハットが上手く機能していない施設は是非参考にしてみて下さい。

まとめ

 今回はヒヤリハット報告書について

①、事故報告書とは

②、事故報告書の利用方法

③、ヒヤリハット報告書が上手く活きるようにする

という流れで見てきました。

 

 これでヒヤリハット報告書とは何のために書くモノなのか理解できましたよね。

 ヒヤリハット報告書の活用方法を知り、上手く活用していけそうですよね。

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