『事故報告書とはなにか?何の目的で書くモノなのか?』をわかりやすく説明します。

2022年2月22日

 「事故報告書とは何ですか?」

 業務を行う上で、当たり前のように書いている人が多いと思いますが、改めて聞かれると

「書けと言われるから書いているけど、何のための書類なんだろうね?」

「介護職になってから最初の難関と言う先輩もいて、まだ書いたことないけど知っておきたいです!」

等の声が多く聞かれます。

 

 そこで今回は

『事故報告書とはなにか?何のために書くのか?』

をわかりやすく説明していきます。

 この記事を読むことで

◎、事故報告書とは何のために書くモノなのか理解できます

◎、事故報告書の活用方法を知ることができます

 それでは、介護現場における、事故報告書について一緒に見て行きましょう!

①事故報告書とは

 事故報告書とは、

『事故の再発防止のための書類』

です。

 つまり、同じような事故を何度も起こさないようにするための書類ですね。

 結構多くの職員や役職者まで、このことを忘れてしまっているケースがあるので忘れないようにしましょう!

 

 この部分で多く見られる悪い例が、事故報告書に始末書反省文としての意味を持たせてしまうケースです。

 このように本来の目的以外の意味を持たせてしまうと、

「これって何のための書類?」

「書きたくない!」

等となってしまい、最悪の場合、事故を見てみぬ振りをする職員が増えて行きます。

 事故を減らすために書く書類のはずが、事故が増えてしまう事になってしまい得るので、絶対に

『事故の再発防止のため』

以外の意味をもたせないようにしましょう!

 

 事故報告書とは何なのかがわかったところで、

「じゃあ、具体的にはどのように利用するの?どう利用すれば事故が減らせるの?」

を見て行きます。

②事故報告書の利用方法

 事故報告書は

『再発防止を検討するために使う』

です。

 事故報告書には、その事故がどのような状況で、どのように発生したのか等が詳細に書かれています。

 その情報を元に、職場全体で

「再発防止のために何をすれば良いのか?」

「どのような対策をしてけば良いのか?」

このようなことを検討するために使います。

 

 そして、話し合いによって決まった再発防止策を職場全体に周知させ、同じような事故の再発防止に効果があるかどうかを観察します。

 ここまで観察し終わって初めてキチンとした利用が出来ていると言えます。

 検討・実施後に

「以前決めた再発防止策を実施しているけど、その後も何度も同じような事故が起きているなぁ!」

となれば、再発防止策が合っていないので、再度検討する必要があります。

 

 この辺り、案外対応策を決めて、実施するところまでして、観察をしないで終わってしまっている施設が多いのですが、それでは事故報告書が上手く活かせません!

 もし貴方の働いている職場で心当たりがある場合は、キチンと効果があるのかどうかまで観察をしましょうね!

 折角時間と労力を費やして書いている書類ですので、ただの作業にするのはもったいない!

 キチンと活かしていきましょう!

 

「この機会に、事故報告書の書き方とか、ヒヤリハットとの違いとか、もっと他にも色々と知りたいです!」

という人は、こちらのカテゴリーから知りたい情報を探してみて下さい。

>>>事故報告書関連カテゴリー

③事故報告書にまつわる噂

 最後に事故報告書にまつわる、ある噂について触れて終わりにします。

 そのある噂とは

「事故報告書は万が一訴えられた場合に、身を守る唯一の証拠になる」

です。

 元警察本部刑事部&行政書士法律家試験経験者の私による、この噂に対する見解は

『そんなに強い証拠にはなり得ない』

です。

 恐らく採用されても、参考資料程度だと思います。

 

 詳細は別記事を読んで頂きたいのですが、

>>>介護の事故報告書を書くとどのように職員の身が守られるのか?元警察官が考えてみた。

※古い記事なので、今後書き換え予定です

 裁判で証拠になる書類とは

◎、決まった書式、決まった文言等で書かれている物

◎、裁判で証拠として認められるための特別な手続き(立証措置)を踏んでいる物

等です。

 

 では事故報告書は、これらの要件を満たしているのでしょうか?

 事故報告書は

◎、その施設内で勝手に作った書式で、各人が自由気ままな文言で書いている

◎、特別な手続きを踏んでいない内部資料

になります。

 つまり、裁判資料として直接的に採用される要件を何も満たしていない書類になります。

 そのため、私は事故報告書が訴えられた際に身を守るための、唯一の証拠にはならないと考えています。

 もちろん、書かないより、書いておいた方が良いのは確かですが、

「自分の身を守るためにキチンと書きなさい!」

は違いますね。

 

 最初にも言いましたが、事故報告書は再発防止のために書く書類であり、それ以外の目的を持たせないようにしましょう!

 ここまで見て来て、

「事故報告書に似たもので、ヒヤリハットというモノがありますが、あれとの違いって何ですか?」

と気になる貴方はこちらの記事をお読みください

>>>『ヒヤリハット報告書とはなにか?何の目的で書くモノなのか?』をわかりやすく説明します。

まとめ

 今回は介護現場における事故報告書に関して

①、事故報告書とは

②、事故報告書の利用方法

③、事故報告書にまつわる噂

という流れで見てきました。

 

 これで事故報告書とは何のために書くモノなのか理解できましたよね。

 事故報告書をどのように活用すれば良いのかも知ることができました。

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