介護施設で本当にあった怖い話『通話』
介護施設では様々な怖い話、体験談が語られています。
その多くは職員間で共有されているだけで、表に出て来ることはありません。
そこで、そんな
『表に出てきていない介護施設での本当にあった怖い話』
を語りたいと思います。
今回ご紹介するのは、実際に私が働いていた介護施設で夜勤中に職員A子が体験した怖い話になります。
それでは、貴方を深夜の介護施設にご招待です。
介護施設での恐怖体験『夜勤中の通話』

5月20日。
時間は深夜2時15分。
その日は春から夏への季節の変わり目で、深夜になっても蒸し暑さが残る日でした。
A子は介護職員としてもうすぐ20年にもなるベテラン介護職員。
その日もいつものように夜勤業務に入っていました。
私の働いていたこの施設では、夜勤は3名体制。
変わり番に仮眠に入ります。
深夜2時台は最後の一人が仮眠に入り、2つあるフロアに1名ずつ職員が起きているだけの状態になります。
従来型特養の夜勤は
『ご利用者が寝ていれば静か』
『覚醒してナースコールが鳴りやまない時は戦場』
そんな半分運任せな状態です。
その日の夜勤はご利用者も寝静まり、比較的平和でした。
A子の相勤者はいつものように午前2時に仮眠に入り、そのフロアにはA子が一人になりました。
・・・静か
その日はナースコールもなく静まり返っていました。
しかしそんな平和な時間も束の間。
深夜2時10分。
ナースコールが鳴ります。
○-2のベッドからでした。
○-2のご利用者は夜中に覚醒すると、排尿があろうと、なかろうと
「オムツ交換して」
とナースコールを押すご利用者です。
A子は
「○○さんが起きたんだな」
と○-2へ向かいます。
従来特養は基本的に多床室。
その部屋も一部屋に4台のベッドが設置されています。
その中で2番目のベッド○-2。
A子が到着すると、ポケットに入れていたナースコール受信用のPHSが
ピピピピピ、ピピピピピ・・・
と鳴り始めました。
今度は○の部屋と真逆にある△の部屋からです。
「はぁ~、私一人の時に一気に起き始めたか」
他のご利用者も覚醒してしまい、穏やかで静かな夜勤が戦場へと変わる様相を見せ始め、A子は思わず溜め息をついたのです。
「他の方にも呼ばれたので少々お待ち下さい」
A子は○-2のご利用者にそう伝え、△の部屋へ。
△の部屋に向かっている最中にまたPHSが
ピピピピピ、ピピピピピ・・・
「何でみんな同じタイミングで起きるんだろう」
思わずそのように呟きながら、PHSを取り
「他の方に呼ばれている最中なので少々お待ち下さい。」
A子はPHS越しにご利用者に伝え、呼ばれた順番で△部屋に向かいます。
△部屋に到着すると、どうやら寝返りをうったときに誤ってナースコールのボタンを押してしまっていただけのようでした。
その事を確認し、次は先ほど鳴っていた部屋に向かいます。
するとまたPHSが
ピピピピピ、ピピピピピ・・・
従来特養の夜勤は本当にこんなモノです。
PHSを確認すると
『○-3』
と表記されています。
最初にナースコールを鳴らした人の隣のベッドです。
A子は内心では
[さっき行った時に、ついでに用件を言ってくれれば良かったでしょうに]
と思いつつも、深呼吸をし、怒りを落ち着かせながらPHSを取りました。
「はい、今他の方の対応中なので、少々お待ち下さい」
すると向こうから
「はい、忙しいのにすみません。わかりました。絶対に待ってますので。」
と返答がありました。
忙しい職員の状況を理解してくれるこの言葉に安心して、A子は呼ばれた順番に居室を訪れます。
・・・とりあえずこれでナースコールはひと段落。
先ほど
「待ってます」
と言ってくれたご利用者のところへ向かおうとした瞬間。
A子は”ある事”に気付き、怖くなって震えだし、その場から動けなくなってしまいました。
そのまま約1時間30分間。
動けず震えてうずくまっているA子は、仮眠から戻った相勤者によって発見されました。
「絶対に待っています」
PHSでこのように言ってきたベッド。
数日前にご利用者が亡くなったばかりで、誰もいないベッドだったんです。
では、一体誰がナースコールを鳴らしたのでしょうか?
「絶対に待っています」
こう言ったのは一体誰だったのでしょうか?
そして今でもA子が引っ掛かっていると言う
『絶対に』
という言葉・・・
真相は今でも謎のままです。
最後に

私は既に退職しているのですが、A子は今でもその施設で働いているようです。
A子は昔からそのような不思議な体験を沢山するようで、他にもA子が体験したエピソードはあります。
それはまた別の機会にいたしましょう。
「ところで、この記事を書いている貴方はどなた?」
と疑問に思った貴方は私の自己紹介もご覧ください。
私は介護に関してこのように
◎、曖昧なまま使われている部分
◎、時代の変化についていけるような情報
◎、介護に対するやる気の向上
等に関する情報を出していきますので、是非また来てくださいね。
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