【介護福祉士試験】成年後見制度とは?誰にでも分かりやすく説明します【社会福祉士試験】

 介護福祉試験、社会福祉士試験等、介護関係の国家試験において多くの受験生が

「難しくて苦手」

と口を揃えて言うのが

『成年後見制度』

です。


 そこで今回は行政書士試験(合格率10%の法律家資格)で300点満点中200点以上を獲得した経験のある私が、誰にでも分かりやすいように成年後見制度を説明します。


「漢字の読み方から分からない。」

「テキストを読んでも中身が全く分からない」

「何となくどんな制度かは分かるけど、理解出来ていないと思う」

「細かい部分が分からない」

等々、苦手意識を持っていたり、そもそも何も分からないと放棄しているような貴方向けの内容となっています。


 内容としては

◎、分かり難い言葉の説明

◎、成年後見制度とは?

◎、成年後見制度の利用方法

◎、後見とは?

◎、保佐とは?

◎、補助とは?


 これを読む事で成年後見制度の全体像が理解できます。

 テキスト等を横に置き、この記事と照らし合わせながら読んで貰えると、より分かりやすくなります。


 既にこの時点で拒否反応を示している貴方も、ここまでは読めたわけですから、是非最後までお付き合い下さい!


 それではそれぞれについて見て行きましょう!





成年後見制度を読む上で分かり難い言葉の説明

 なぜ成年後見制度が難しいと感じて、苦手意識を持つ受験生が多いのか?

 それは馴染みがない言葉ばかり使われているためです。


 特に混乱させているのが

『成年後見人』(せいねんこうけんにん)

『成年後見人』(せいねんこうけんにん)

です。


「同じじゃないの?何が違うの?」

となりますよね。


 これはこのように覚えて下さい。

『被=本人』


 これは成年後見制度だけではなく、貴方が生きて行く上で、全てのことでそうだと覚えて問題ありません。


 例えば

『被害者』

 害を受けた本人と言う意味です。


 介護福祉士試験等の他の部分で言うなら

『被保険者』

 保険を受ける本人と言う意味です。


 これだけ分かっていれば、

「どっちが、誰?」

とはならずに済みます。


『被=本人』

これだけでも是非この機会に覚えて下さい。




介護福祉士国家試験で難しい『成年後見制度とは?』

 結論:『ご利用者を守るための制度』


 成年後見制度は、認知症等が原因で物事をキチンと判断できない状態の人を守る制度です。


 私は高齢者介護の人間なので、高齢のご利用者を例にします。

 貴方が勤めている施設のご利用者(=被後見人)


 そのご利用者が一人暮らしをしているのを想像して下さい。

 そこに悪質な新聞勧誘、訪問販売等が来たらどうなると思いますか?


 こちらから話掛けるとなんでも

「うん、うん」

とうなずくご利用者もいますよね?


 そんなご利用者が何も分からないうちに、契約書に勝手にハンコを押されてしまったら?


 とても大きな損害を受けると思いませんか?


 そのような被害からご利用者を守るための制度こそが

『成年後見制度』

なんです。


 成年後見制度の手続きを前もってしておくと、このような悪質な契約を後日でも取り消す事が出来ます。


 つまり

『なかった事に出来る』

わけです。


 それまでに支払ったお金等は全て返して貰えます。

 そして、それまでに使ってしまった商品等は残っている物だけ返せばそれで良いです。


 そもそもの話として、そのような状態の人と無理矢理契約を結んだ方が悪いため、悪質な勧誘員等の損失は自業自得ということになります。


 このように、判断能力がない状態で結んでしまった契約とか、約束事からご利用者を守る為の制度と言う事です。


 何となく、どんな制度かは理解できましたかね?


 では、次に

『この制度を利用するために必要な手続き』

について見て行きましょう!



介護福祉士国家試験で難しい『成年後見制度の利用方法』

 結論:『前もって家庭裁判所に申し立てておく』


 成年後見制度を利用するためには、前もって手続きをしておく必要があります。


 手続きをしていない状態で

「このご利用者は認知症でキチンと判断出来ない状態です。だからその契約は悪質なので、取り消します!」

とは出来ないんです。


 では前もってしておかなければならない手続きとはどんな事でしょうか?


 それは結論として言った通り、

『家庭裁判所に申し立てをしておく事』

です。


 申し立てておくと家庭裁判所が、

「この人はキチンと物事を判断するのは難しそうですね!よし、成年後見制度の利用を認めます!」

と決定してくれます。


 この部分は法律家の行政書士試験でも実際に出題されたことがあるくらい、見落としがちで重要な部分です!


『裁判所が決定してくれないと、判断能力がなくても成年後見制度は使えない』

 是非頭の片隅に入れておいて下さい。


 このように言うと

「じゃあ、裁判所からの決定がないご利用者は泣き寝入りなの?」

と考える真面目な介護職員もいるかもしれません。


 そんなことはありません。

 何とかする方法はあります。


 しかし、そこまで行くと行政書士試験の本筋レベルの内容になってしまうので省略します。

 介護福祉士や社会福祉士の国家試験では絶対に出題されません。


 ここまで大丈夫でしょうか?

 ついて来れていますか?


 大丈夫な貴方は、いよいよ成年後見制度について、より具体的な内容に入っていきます!


 成年後見制度を利用出来る対象者は判断能力の違いによって大きく3段階に分けられています。


 判断能力が低い、重度の方から

『後見』(こうけん)

『保佐』(ほさ)

『補助』(ほじょ)

です。


 次からは、それらの段階について、更に詳しく見て行きます!




介護福祉士国家試験で難しい『後見』

※ フリー素材です。ご利用者の写真ではありません。


<対象となる人>

 結論:『判断能力がない人』


 貴方の勤める介護施設でイメージすると、

『全介助のご利用者』

『食事直後に「食事はまだか?」と繰り返すご利用者』

等、重度の認知症のご利用者です。


 そんなご利用者が一人暮らしをしていたら?

 誰かが助けてあげなきゃいけませんね。


『後見』

を利用できるご利用者はこのような人です。



<申し立てをする事が出来る人>

 この成年後見制度はメリットばかりではなく、デメリットもあります。

 そのため、見知らぬ人でも、誰でも勝手に申し立てが出来るわけではありません。


 申し立てが出来る人は決められています。

 それが

『本人』

『四親等内の親族』(配偶者、子供、孫、ひ孫、兄弟の子供、兄弟の孫等々)

『検察官』

『市町村長等』

です。


 本人も一時的に判断能力が回復した場合には申し立てることが可能です。

 この部分は高齢者よりも、精神の方がイメージしやすいかもしれませんね。


 四親等内の親族となっていますが、高齢者でイメージすると親はいないでしょうから、どうしても子供、孫の方になりますね。


 検察官や市町村長は、

『信用出来る公人(公務員)』

という感じで頭の片隅に入れておけば良いと思います。



<取り消しが可能な行為>

 結論:『基本的に全て取り消し可能』


 後見は一番強く保護できる段階ですので、基本的には後日に全部の契約を取り消すことが可能です。


 ここで貴方が試験のために覚えておくべき部分は

『例外』

です。


 一つだけ取り消せない例外があるんです。

 それが

『日常生活に関する契約』

です。


 これは難しく考えずに、

『日用品の買い物は取り消せない』

と覚えて問題ありません。


 法的には買い物も契約行為になります。

『売買契約』

と言います。


 スーパーやコンビニ等でお菓子とか、弁当とか、シャンプーとか、日用品を買った場合。

 それらすら全部取り消せるとしたらどうなりますか?


 被後見人(本人)が居れば実質的に生活費をタダにすることだって可能になってしまいます。

 そうしたらスーパーやコンビニは倒産まっしぐらです!


「それは流石にダメでしょう!」

と言う事で、日用品の買い物だけは被後見人でも取り消せません。



<制度利用のデメリット>

 結論:『公務員や役職者になれなくなる』


 何度もイメージしてもらって申し訳ないのですが、貴方の施設のご利用者をイメージして下さい。


 そのご利用者が公務員をやっている姿を想像して下さい。

 医者として手術をする姿でも構いません。

 ちょっと怖すぎませんか?


 それは多くの人が同じように思うことなので、最初から

◎、公務員

◎、国家資格で仕事をする人

◎、会社役員

等にはなれないように取り決めているわけです。


 なお、近年の法改正により、被後見人は

『介護福祉士』

『社会福祉士』

『ケアマネ』

にもなれなくなりました。




介護福祉士国家試験で難しい『保佐』

<対象となる人>

 結論:『判断する能力がかなり低い人』


 後見よりは保護する程度が弱い段階が

『保佐(ほさ)』

です。


 日常生活上はそこまで大きな問題はないけれど、判断能力がかなり弱い人です。


 貴方の勤める介護施設で言うと、

『トイレ等、基本的なことは見守り程度で済むご利用者』


 基本的には自立に近いけれど、たまにゴミ箱に排尿をしてしまったり、パットをトイレに流して詰まらせる等。


 そのようなご利用者をイメージして下さい。

 介護施設内ではそれなりに問題ない方ですが、一人暮らしをするとなるとやはり心配ですよね。


 だから、

「そのようなご利用者も守りましょう!」

というのが保佐です。



<申し立てをする事が出来る人>

 これは後見と全く同じです。


 本人が後見よりもシッカリしているので、本人からの申し立ての可能性は増えるかもしれません。



<取り消しが可能な行為>

 保佐は基本的に、

『自分で判断できる人』

です。


 ここでも試験のために覚えておくべきは例外部分です。


 基本的には自分で判断できるけれど、例外的に

『重大な判断に限り』

取り消しが可能となります。


 重大な判断とは、

◎、借金

◎、裁判

◎、相続

◎、不動産関係

等々です。


 このような契約を本人だけでしてしまっていた場合には、後日取り消す事が出来ます。


『保佐人は基本的には自分だけで判断できる人』

 この事を知っているのと、知らないのとでは理解に大きな差が出ます。


 これは行政書士試験の受験生でも言える事です。

 これを知らないと行政書士受験生でも苦労します。



<制度利用のデメリット>

 これも後見と同じですので省略します。




介護福祉士国家試験で難しい『補助』

<対象となる人>

 結論:『判断能力に少し不安が残る人』


 補助は、保佐よりも更に判断能力が残っている人で、

『ほぼほぼ、何でも一人で判断できる人』

です。


 貴方の勤める介護施設のご利用者だと

『あのご利用者ってシッカリしているし、特養じゃないよね?』

と言われるくらいシッカリしているご利用者です。

(※ 私は特養の介護職員なもので)


 いわゆる要支援くらいのご利用者ですね。

 でもたまに、強烈な物忘れや感情的に怒鳴り出すこともあるみたいな。


 そんなご利用者をイメージしていたらければ良いかと思います。



<申し立てをする事が出来る人>

 申し立てをする事が出来る人は後見も、保佐も、補助も。

 全部全く同じです。



<取り消しが可能な行為>

 結論:『事前に家庭裁判所が認めた、重大な判断のみ』


 補助は、保佐よりも判断能力が残っていますので、保佐よりも更に保護される領域は少なくなります。


 補助が保護される範囲は、保佐で例示した重大な判断と同じです。


 ただし補助が保護される為には、その中でも事前に家庭裁判所に申し立てをして、裁判所が

「それなら保護しても良いよ」

と決定したこと限定になります。


 例えば、家庭裁判所に

「ご利用者が一人で勝手に借金をしてしまうときには、取り消せるようにして欲しいのですが」

と申し立てます。


 そして、裁判所が

「それなら取り消せるようにしておいた方が良いね!」

と決定した場合に、借金のみ後日取り消せるようになります。



<制度利用のデメリット>

 結論:『特になし』


 被補助人ほどの判断能力があれば社会的にも特に大きな問題はないので、デメリットは特にありません。


「えぇ~あの人って被補助人なの~!?」

と周囲に見られることはあるかもしれません。


 それもデメリットと言えばデメリットですが、被補助人になったことで公務員になれないとか、国家資格を取得できない等はないと言う意味です。




まとめ

 難しくて苦手な部分、お疲れ様でした。


 では最後に

『成年後見制度とは?誰にでも分かりやすく説明します』

をまとめて終わりにします。


 成年後見制度に限らず、

『被=本人』

と覚えておくと登場人物で混乱し難くなる。


 成年後見制度とは

『ご利用者を守る為の制度』


 成年後見制度の利用方法は

『前もって家庭裁判所に申し立てておく』

 前もって家庭裁判所の決定がないと活用できない。


 後見とは

『判断能力がない人』

 介護施設のご利用者なら全介助、重度の認知症のご利用者。


 保佐とは

『判断能力がかなり低い人』

 介護施設のご利用者ならトイレ等、基本的なことは見守り程度で済むご利用者。


 補助とは

『判断能力に少し不安が残る人』


 介護施設のご利用者なら

 「あのご利用者ってシッカリしているし、特養じゃないよね?」

 と言われるくらいシッカリしているご利用者。


 いかがでしょうか?

 何となくの全体像は掴めましたか?


 その状態でもう一度テキストを読んでみて下さい。


「あぁ~これはあのご利用者を保護する段階だったな!」

等とイメージと共に思い出せれば、もう成年後見制度は問題ありません。


 是非介護福祉士国家試験、社会福祉士国家試験。

 頑張って下さい!



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