【感染対策マニュアル】介護施設内で新型コロナ感染者が発生した場合の介助方法【厚生労働省】

2020年4月24日

 この記事では

『介護施設内に新型コロナ感染者が出た場合、具体的にどのように介助をすれば良いのか?』

について書いて行きたいと思います。


 ニュース等で報道されている情報は一般世間向け情報なので、感染予防が主な内容となっています。

 そのため、テレビを見ているだけでは介護施設内に感染者が出た場合の対処方法が分かりません。


 確かに都道府県から

「感染者が出た場合にはこうして下さい!」

のような通知は来る事もあります。


 しかし、正直な話、文章量は多いし、文章の書き方も難しくて分かり難い。

 分かり難いどころか、読むこと自体が辛い。


 そこで私が、通知のような大量な資料を読むことが苦手な貴方に代わり、具体的に、そして分かりやすくまとめて説明をしていきます。


「新型コロナが施設内で発生した場合、どう行動すれば良いの?」

「隔離して、その部屋の中ではどうすれば良いの?」

「そもそも新型コロナが発生した場合には何を参考にすれば良いの?」

「もう何も分からない!全部教えて!」

そんな貴方向けの記事となっています。


 なお、介護施設内で新型コロナが発生した場合に、

「職員が出勤出来なくなり人手不足になったらどうするの?」

「マスク等が足りないんだけど!」

という、運営上の大きな不安や悩みに関してはこちらの記事をお読みください。

>>>介護施設内で新型コロナの感染者が出た場合の不安と対策方法


 今回は、各項目出来るだけ簡潔に、分かりやすく書いて行くつもりですが、それでも項目が多くなりますので文章量が多くなります。


 そのため、今の貴方に必要な部分を目次から読むような形で参考にして頂くのが良いかもしれません。


 もちろん、全部通して見てもらった方が理解は深まりますが。

 使い方は貴方にお任せします!


 では新型コロナが介護施設内で発生した場合にどう行動したら良いのかを見て行きましょう!





介護施設内に新型コロナ感染者が出た場合に参考にすべきモノ

 結論:『感染症対策マニュアルのインフルエンザと同じに行動する』


 介護施設内に新型コロナ感染者が出た場合の行動、介助方法について厚生労働省は

『感染症対策マニュアルのインフルエンザと同じように対策を講じて下さい』

と言っています。


 介護施設には感染症対策マニュアルがあります。

 その多くは厚生労働省が発行しているこちらを基に作られています。

>>> 高齢者介護施設における 感染対策マニュアル


 このマニュアルの中には様々な感染症発生時の行動が具体的にまとめられています。


 新型コロナは今回初めて発見された新種のウイルスですので流石に入っていませんが、その特徴や感染経路等から、

「インフルエンザと同じ対策でお願いします」

と言っているわけですね。


 それを踏まえて、介護施設内に新型コロナ感染者が発生した場合の行動は主に次の9種類です。

①、標準予防策(スタンダード・プリコーション)の徹底

②、個室又は感染者部屋を作り隔離する

③、感染部屋の担当職員を決めて対応する

④、隔離部屋専用の必要物品を準備する

⑤、基本装備・消毒

⑥、食事介助

⑦、排泄介助

⑧、入浴

⑨、夜間・就寝中


 今回は少し多いですが、感染症マニュアルを全部読むよりは簡潔に、分かりやすく書いて行きます!

 是非最後までお付き合い下さい!


 では各項目について、もう少し詳しく見て行きましょう!




新型コロナ感染者の介助方法『標準予防策(スタンダード・プリコーション)の徹底』

 個人的にはスタンダードプリコーションより、標準予防策と呼ぶ方が人に伝わるので好きです。

 そのため、標準予防策と言って行きます。


 これが何かを、簡単に言うと

『感染症を広げないために、どの感染症対策としても絶対にやるべき事』

です。


 新型コロナも感染症なので、標準予防策を行う必要があります。

 その具体的な内容は主に次の4個です。

◎、うがい・手洗いの徹底

◎、マスク・手袋・ゴーグル・エプロン・ガウンの着用

◎、消毒

◎、換気等の環境整備


 それらが何故新型コロナで有効なのか?どうやれば良いのか?等を簡単に見て行きます。



<うがい・手洗い>

 新型コロナはウイルスがいる状態の手で顔を触ると感染します。

 そのため、顔を触る前にシッカリと手洗いをすると感染を防げます。


 口腔内にウイルスが侵入していても、うがいである程度外に排除できるのでうがいも効果的です。



< マスク・手袋・ゴーグル・エプロン・ガウンの着用 >

 新型コロナはウイルスが粘膜に付着すると感染します。

 そのため、それらを防ぐために、装備を整えます。


 それが

◎、マスク

◎、手袋

◎、ゴーグル(メガネ)

◎、エプロン・ガウン

となります。


 もちろん、ウイルスを防ぐために装備するモノですから、それらの処理をキチンとしないと、防護装備が感染源になることもあります。


 全て使い捨てにし、ゴミは適切に処理をすることも含めています。

 ゴミの適切な捨て方は『基本装備』の部分で後述します。



<消毒>

 新型コロナはウイルスですので、消毒をすることで感染拡大を防げます。


 物や手すり等は次亜塩素酸ナトリウム液。

 手はアルコール液。

で消毒します。


 施設によっては手指消毒も次亜塩素酸ナトリウムで行っている施設もありますが、厚生労働省は

「手指消毒に次亜塩素酸ナトリウムは使わないで下さい」

と明言していますのでご注意下さい。



<換気等の環境整備>

 新型コロナは空気感染はしません。

 しかし、感染者のくしゃみや発語等により排出されたウイルスは、感染者の周囲を長いときでは数時間漂うそうです。


 そのため、換気をすることで、この漂っているウイルスを外に出してしまいましょう。


 換気によって分散した、物凄く少ない数のウイルスで発症したという報告は今のところないようです。


 恐らく、少ない数なら吸っても免疫ですぐ処理出来るのかと思います。


 換気の目安は1~2時間おきに、5~10分です。



 これらの感染症対策の基礎を意識した上で、新型コロナ感染者が出た場合の具体的な行動を見て行きましょう!




新型コロナ感染者の介助方法『個室又は感染者部屋を作り隔離する』

 感染者をこれ以上増やさないために個室に隔離します。

 複数人感染者がいる場合には感染者専用の多床部屋に隔離します。


 ここまでは特に問題ありませんよね。

 ここで介護施設で心配となるのが

『認知症で部屋から出てきてしまい、隔離しきれないご利用者がいるんですけど』

という部分だと思います。


「新型コロナを蔓延させないために施錠するしかないじゃないか!でもそれは虐待になるんでしょ?もう詰んでるじゃん!」

との声も聞こえてきます。


 しかし、この部分の対策方法はマニュアルに書かれています。

 その場合には

『ご利用者にマスクをさせて下さい。』


 マスクを感染を防ぐ用具と勘違いしている人がいますが、違います。

 マスクは感染を防ぐためではなく、感染者から感染を拡大させないための用具です。


 そのため、隔離部屋に隔離しきれないご利用者にこそ、マスクの出番です。


 もっとも、普段なら認知症で部屋から出てきてしまうようなご利用者も、新型コロナに感染したら歩きまわれなくなると思いますが。


 そのようなご利用者は普段怪我や骨折をしても動きまわり、安静に出来ません。

 しかし、病気の場合は動けなくなることがほとんどです。


「あれ?今日は変だな。全然歩き回らないな」

との異変時には大抵高熱が出ています。


 新型コロナも高熱が出ますので、恐らく動き回れないと思います。

 それでも、回復期に動きまわり出したらマスク着用。


 そういう事ですね。




新型コロナ感染者の介助方法『感染部屋の担当職員を決めて対応する』

 職員を通して施設内に感染を拡大させないために、その日感染部屋の介助を行う職員を決めます。

 これを通称

『いけにえ』

と言います。


 基本的にその職員以外は感染部屋に入る事も許されません。


 見守りが常に必要なご利用者が感染している場合には、いけにえ職員はほぼ通して感染部屋内にいることになります。


 常についている必要がなく、人手が足りない場合は通常業務をこなしつつ、必要に応じて感染部屋に入る事になります。


 もちろん、出入り時の消毒は徹底する必要があります。


 いつイケニエに選ばれるか分かりませんので、新型コロナの感染者が出た施設の職員は常に免疫力を高める生活を意識しましょう。

>>>病気に負けない体を作る!今日から出来る免疫力を高める方法4選




新型コロナ感染者の介助方法『隔離部屋専用の必要物品を準備する』

 必要品は隔離部屋内だけで完結させ、外部に出してはいけません。


 それに

「あれが足りない!あ、これも足りない」

と何度も、何度も出入りをしていては隔離の意味が半減してしまいます。


 そのため、最初に隔離部屋を設ける時点で必要物品を一度に運び込みましょう。


「新型コロナ感染者が出た時に、隔離部屋に必要なモノは何かな?」

を事前にピックアップしておきましょう。


 考えられる、必要な物をあげると

◎、マスク

◎、手袋

◎、ゴーグル

◎、ガウン

◎、ボックスティッシュ

◎、消毒液

◎、拭き消毒用の布

◎、浸け消毒用の大きなバケツ

◎、消毒液を染み込ませた足拭きマット

◎、口腔セット(歯ブラシ、ガーグル等)

◎、嘔吐物処理セット(嘔吐する可能性もあるため)

◎、ゴミ袋

◎、ゴミ箱(通常ゴミと排泄ゴミ用)

◎、ポータブルトイレ(トイレがない部屋の場合)

◎、トイレットペーパー

◎、オムツ類(オムツ、パット、清拭、陰洗ボトル等)

◎、バイタルチェック用品(体温計、血圧計等)

◎、感染部屋専用の記録用紙(食事量や排泄状況等)

辺りは必要です。




新型コロナ感染者の介助方法『基本装備・消毒』

 隔離部屋内での基本装備は標準予防策の通りです。

 マスク・手袋・ゴーグル・ガウン

これらを装備し、基本的に使い捨て。


 恐らく分かり難いのが消毒です。

 消毒方法に関しては一覧表があるので、それを添付しますので、それで確認をして下さい。

高齢者施設における感染対策マニュアル

 次亜塩素酸ナトリウムは強い薬剤なので、何を消毒するかによって濃度を変えなければなりません。

 何を消毒する場合に、どのくらい薄めれば良いのかの目安はこちらです。


 感染者部屋で出たゴミは特別にはウイルスが沢山付着していますので、他の普通ゴミと一緒に捨てるわけにはいきません。

 この部分の隔離部屋から出たゴミを出す時に気を付けることはこちらです。

 要は

◎、出来るだけ隔離部屋から出さない事

◎、出来るだけ早くゴミを出す事

◎、分かるように『感染ゴミ』のように記載して分けておく事

ですね。


 もし

「色々言われたらワケがわからない!」

「介護施設じゃなくて家庭での消毒は?」

という貴方はこちらをお読みください。

>>>【一般家庭向け】介護士が作る消毒方法マニュアル!【消毒液とその特徴】




新型コロナ感染者の介助方法『食事介助』

 隔離部屋の食事介助はいけにえ職員が行う事になります。

 もちろん、マスク・手袋・ゴーグル・ガウンを装備して介助を行います。


 基本的に気を付けるべき事は普段の食事介助と変わりません。

 ただ、敢えて個人的な意見を言わせて頂くと

◎、嘔吐に注意すること

◎、水分を優先すること

◎、無理に食べさせないこと

です。


 体調不良者なのですから、無理にご飯を食べさせる必要性はないと思います。

「一杯食べないと早く良くならないよ」

と全量摂取をノルマのように考えている介護職員も多くいます。


 しかし、新型コロナは肺炎にもなるウイルスです。

 無理に食べさせてむせ込ませたりして、肺炎リスクを高める意味がわかりませんよね。

 食事が経口摂取できなければ点滴と言う選択肢だってあるわけですから。


 更に、体調不良で食べられないのに無理に全量介助すると嘔吐します。


 そのため、

『無理せず介助をする』

これが重要かと思います。 


 脱水にならないため、嘔吐リスクを減らすため等々。

 水分優先の介助で良いと考えます。


 あくまでもインフルエンザ等の隔離介助経験者としてのイチ意見なので、詳細は貴方の施設の看護師と相談して下さい。




新型コロナ感染者の介助方法『排泄介助』

 排泄介助もイケニエ職員が行います。

 マスク・手袋・ゴーグル・ガウンの装備は必須です。


 トイレやポータブルトイレは一人使う度に消毒をします。

 消毒方法は、便座は次亜塩素酸ナトリウムで拭き消毒をします。

 この時に使う消毒液は、

『500mlのペットボトルに、次亜塩素酸ナトリウムの原液をペットボトルのキャップ1/2量』

を入れた物を使います。


 ポータブルトイレの排泄物を受けるバケツは次亜塩素酸ナトリウムで拭き消毒をします。

 この時に使う消毒液は、

『500mlのペットボトルに、次亜塩素酸ナトリウムの原液をペットボトルのキャップ2杯量』

をいれた物を使います。


 直接排泄物に触れる場所と、触れない場所とでは消毒液の強さを変える必要があるんですね。




新型コロナ感染者の介助方法『入浴』

 結論:『看護師と相談』


 基本的に新型コロナに感染し、隔離している最中に入浴は出来ないと思います。

 そのため、入浴介助をどうするか悩むのは、ほぼ回復してからになると思います。


 結論としては看護師と相談して、個別に判断していく事になると思います。

 ただし、まだ完治していないのであれば入浴順は最後。


 浴槽や衣類等はキチンと消毒をする必要があります。


 感染隔離中は体調に合わせて清拭

 又は更衣

 洗面

辺りで済ませる事になると思います。


 生命維持において必ず今すぐやらなければならない行為ではありませんので。

 その際も、洗面や清拭を行う用品は隔離部屋専用のモノを用意したり、使い捨てにします。




新型コロナ感染者の介助方法『夜間・就寝中』

 ベッドに横になる時には頭部を少し上げておきましょう。

 新型コロナは肺炎になるリスクもあるウイルスです。


 自身の唾液等が肺に入っていかないように、頭を上げて、リスクを出来るだけ減らしましょう。

 これは食後に嘔吐しないようにという効果も有ります。


 夜間はバイタルチェックも忘れずに行いましょう。

 昼間は看護師が行います。

 バイタルチェックに使用した用具は隔離部屋専用にするか、キチンと念入りに消毒をしましょう。


 更に、新型コロナは急に重症化するらしいので、こまめな巡視も必要です。

 そして急変に対応するため、

◎、看護師とのオンコールをする際の基準の確認。

◎、救急搬送時に必要な書類等の確認。

これらも前もってしておきましょう。


 それらは施設によって違うので、私からは何とも言えません。




まとめ

 今回は長くなってしまいました。

 ここまで読んでくれた貴方は本当にお疲れ様でした。


 それでは最後に

『介護施設内で新型コロナ感染者が発生した場合の介助方法』

についてまとめ、情報を整理して終わりにします。


①、標準予防策(スタンダード・プリコーション)の徹底

 うがい手洗い、基本装備、消毒、換気の徹底をする。


②、個室又は感染者部屋を作り隔離する

 隔離出来ないご利用者にはマスクを着用して対応する


③、感染部屋の担当職員を決めて対応する

 基本装備を徹底し、他の職員は入らない。


④、隔離部屋専用の必要物品を準備する

 前もってチェックリストを作る等して、隔離部屋の出入りは極力減らす。


⑤、基本装備・消毒

 マスク・手袋・ゴーグル・ガウンは必須。

 消毒液はアルコールと次亜塩素酸ナトリウムを使い分ける。

 隔離部屋のゴミは、施設内に置かず、『感染ゴミ』と明記して、早く処理する。


⑥、食事介助

 無理して食べさせず、水分優先。


⑦、排泄介助

 使う度の消毒が重要。


⑧、入浴

 基本は看護師と相談。

 隔離中は清拭、更衣、洗面等、体調に合わせて行う。


⑨、夜間・就寝中

 頭部はアップし、バイタルチェックを忘れずに。

 新型コロナは急変するので、こまめな巡視と、救急対応時の手順の確認をしておく。


 あとは、感染者が出た時のために準備を整えておくか、行き当たりばったりで対処するのかを選択するのは貴方自身です。


 混乱の中、混乱したまま慌てふためきますか?

 混乱の中、冷静にやるべきことだけをやりますか?

 選ぶのは貴方です。



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