介護施設は業務量を減らさないと潰れます!?潰れる理由と、業務量を減らすメリット。

業務量を増やしたい介護施設

 現在の介護施設の多くは業務を増やす目線しか持っていません。


 そのため、現場から積極的に業務を減らす提案や取り組みをしなければ、現場の業務量はドンドン増やされる一方となります。


 更に

「少しでも介護職員の負担を減らそう!」

と業務を減らしても、それで出来た時間に何か別の業務を詰め込まれてしまいます。


 つまり、介護施設全体で

『業務量を減らそう!』

と取り組まないと業務量を減らす事は不可能な状態です。


 私はこの状態によって介護施設は潰れると考えています。

 もしも貴方の介護施設がこのような感じなら今すぐにでも考え方を変えるべきです。


 これからの時代、社会の流れについていけなくなり潰れます!


 今回は

『何故介護施設は業務量を減らしたくないのか?』

『業務量を減らすメリット』

を中心に解説していきます。




なぜ介護施設は業務量を減らしたくないのか?

<介護施設側の理由>

 なぜ業務量を減らしたくないのか?

 なぜ折角業務量を減らしても、そこに別の業務を詰め込んで無意味にするのか?


 その理由はとてもシンプルです。


 それは

『現場の介護職員を信じていないから』

です。


 介護現場の業務量を減らしたくない役職者の考え方はこうです。

「業務量を減らして空き時間を作ったらサボる人が出てくるじゃん」


 とてもシンプルですよね。

 つまり言い換えると職員を信じていないわけです。


 役職者達が現場の職員を信じていない状態なのですから、何かをキッカケに介護施設が崩壊するのは容易に想像がつくと思います。



<介護職員側の理由>

 介護職員の業務量を減らす取り組みなので、介護職員は全面的に賛成するかというと、実はそうじゃありません。


 むしろ、一番やっかいなのが、介護職員側から

「業務量を減らす必要はない!」

と訴えて来る事です。


 正直な話、介護施設の役職者の多くは

「現場がやり易いようにやっていいよ」

のように現場の意思に任せるという考えの人が多いです。


 そこで、介護職員から

「業務を減らすな!」

と訴えが出てしまったら、こんな考えの役職者達は無理に業務を減らすことはしませんよね。


 では何故自分達の業務を減らし、負担が減少する取り組みを拒否するのか?

 これもとてもシンプルな理由です。


『汗をかいていないと不安だから』

です。


 介護職員の多くは

『《労働・汗の量=頑張り》という価値観』

を持っています。


 そのため

「何かやっていないと手持無沙汰。不安」

と感じます。


 そのため命令として、やる事を与えて欲しいと考える人が多いわけです。


 命令された、決まっていることだけを黙々とやっていればその日の仕事が終わる状態は何も考えないで良いので、とても楽ですからね。


 発生した問題にだけ対処すれば良いのでとても楽。

 いわゆる思考停止でも出来る仕事と言うやつですよね。


 それを自分で考えなければならない時間を作られると、何も『出来ない』介護職員が多いので不安なんです。


 今までの時代はそれでも良かったと思います。

 しかし、この時代、これからの時代はそれでは済まなくなります。

 上から命令されたことだけを黙々とこなす事しか出来ない人間は不要になってきます。


 そして、そんな不要な人間しかいない介護施設が存続できる道理はどこにもありません。

 よって、業務量を増やす目線しか持っていない介護施設は崩壊し、潰れます。


 私の考えるこれからの時代の介護施設の有り様はこちらをお読みください。


 しかし、そうは言っても、業務を減らす目線にシフトチェンジするのはとても勇気が必要な事だと思います。


 そこで、業務量を減らす事によって得られるメリットを見て行きます。




介護施設の業務量を減らすことで得られるメリット

<介護職員の発想力が豊かになる>

 私が一番のメリットとしてあげたいのはここです。

 私は仕事以外の場で、勉強をしています。


 それにより仕事で取り入れたい様々なプランが十数個はあります。

 しかし、現時点でそれをやろうとは思いません。

 何故か?


 日頃からやるべき業務量が多すぎて、やってる暇も、体力もないからです。

 休憩時間も潰して、場合によっては休日の時間も使って仕事をしないと終わらないくらいに業務が詰まっています。


 そんな状態で、新たなプランの提案なんて出来ません。

 大型プロジェクトも数個ありますので、全部取り入れたら間違いなく施設そのものが大きく変化します。


 その程度のプランを一人の人間でも持っていたりします。

 しかし、業務が詰め込まれているせいで表に出てこない。


 この部分、プランを実行する余裕があればバンバン出します。


 私に限らず、

「こうすれば良いのに」

と考えを持っている介護職員は沢山います。


 しかし、業務が多い為

「提案したら仕事が増えるだけだから提案しない」

と引っ込めている介護職員を大勢見てきました。


 つまり、業務を詰め込む目線のせいで発想力豊かな介護職員の発想力を押し潰している状態にあるわけです。


 それを解放するために、業務量を減らす取り組みは最低限必須な事と言えます。


「サボる職員が出て来る」

これを封じるために、意識の高い介護職員を潰しているわけです。


 業務量を増やす目線と言うのは

『サボる職員をサボらせないために、やる気の高い職員を潰している』

わけです。


 一方で業務を減らす目線と言うのは

『やる気の高い職員を抑えつけている壁を壊す』

わけです。


 そのため格差はかなり出ます。

 やる気の高い職員は、自分を抑えつける必要がなくなるので自己肯定感がグングン向上し、より頑張ろうと尽力します。

 サボる職員は行動量が減りますので、ドンドン劣化していきます。


 それで良いと思います。

 それで周囲に触発されてサボる職員もやる気の高い職員に化ける可能性が高いです。


 それでも

「仕事しなくても給料が貰えるなら肩身が狭いままでもいいや」

とサボり続ける職員は不要な人間として切り捨てる対象にすれば良いだけです。


 懲戒処分の適切なやり方等については需要次第で記事を作成します。


「人手不足で切り捨てる事なんてできないよ!」

と言う施設はこちらの記事をどうぞ。


 もっとも、やる気の高い介護職員ばかりの介護施設ならそれだけで話題になり、希望者は増えて来ると思いますが。



<介護職員が自主的に頑張るようになる>

 先ほどの

《介護職員の発想力が豊かになる》

でも言ったので、被る部分も多いのですが、介護職員が頑張るようになります。


 貴方が知らないだけで、色々とプランを持っていたり、勉強している介護職員って居るモノなんです。


 そのような職員の多くは役職は無くても、現場では信頼を得ていたりします。

 自分の本領を発揮出来ずに、抑えつけている状態でも周囲の職員さん達から信頼を得ている介護職員が、全力で本領発揮をしたらどうなるでしょうか?


 その職員のことを信頼していたり、

「ついて行きたい!」

と思っていたり、頼っている他の職員さん達は間違いなく触発されます。


 本領を発揮した職員は

『頑張り=評価』

となり、やる気がドンドン向上します。

 そしてそれによって、周囲にも更に肯定されるので、やる気が止まりません。


 そしてやる気が高い職員を信頼してついていく他の職員のやる気も一緒に上がっていきます。

 役職者が出る杭を抑えるのではなく、傲慢にならないように調整する能力さえ持っていれば、良い結果しか生まないと思います。


 もっとも、その職員に役職の座を奪われるなんて自体は当然起きると思いますので、自分の今の立場を守りたいと考えるなら、その職員以上に現在の役職者にも努力が求められますが。


 これも、やる気の高い職員による良い影響ですよね。

 役職者もあぐらをかいていられなくなるのは良い影響です。



<介護職員による虐待が減る>

 先ほどまでのメリットは少し長期的な目線の話でした。

 もう少し短期的に、直ぐ目に付くようなメリットについても見て行きます。


 何と言っても虐待が減少すると思います。

 業務が詰め込まれ過ぎて時間に追われていると、人は誰でも気持ちの余裕がなくなります。

 性格が物凄く穏やかな人でも、気持ちの余裕がなければイライラはします。


 そのイライラが溜まると爆発することもあります。

「普段物静かな人が怒ると怖い」

と言われるのはそういう意味です。


 怒りの感情をコントロールすることに慣れていないので、自制出来ずに何をやらかすか分からない。

 それこそ、ご利用者の命を奪ってしまうレベルの虐待を行う事もあり得るわけです。

 だから普段怒っている人よりも怖いと言う意味です。


 勿論、普段から怒りの感情をコントロールすることに長けているからこそ怒らない人もいます。

 しかし、割合としてはそのような人は少ないです。


 ほとんどの怒らない人は、怒りの感情を我慢して溜めているだけです。

 それが噴出する一番のキッカケとなり得る状況が

『忙しい時』

なんです。


 業務を増やす目線を持っていると、この虐待が一番起きやすい

『忙しい時』

を多く作ってしまうんです。


 そのため、この

『忙しい時』

を減らすために、業務量を減らす取り組みによって虐待は減少します。


 実際に私の周りでも性格が穏やかだったり、快活で、考え方もとても素晴らしい介護職員ですら

「虐待しそうになった」

と自己嫌悪から泣きついてくる人は何人もいます。


 貴方に見えていないだけです。

 その多くは夜勤中等、他の職員がいない時なので、更に自己嫌悪に陥っているんです。


 そして、

『虐待しそうになった自分自身』

これを誰にでも打ち明けることなんて出来ません。


 本当に信頼している特定の人物にしか相談できません。

 貴方の耳に入っていないと言う事は、貴方の周りに虐待の芽が存在しないのではなく、貴方がそこまで信頼されていないという意味です。


 どんな介護職員でも虐待はし得ます。

 ハッキリと言い切ります。


『虐待をする可能性ゼロの介護職員なんて存在しません。』


 私もご利用者を

「ボコボコにして、全身の骨を折りまくってやろうか!?」

と思ってしまうくらいカッとなった経験はあります。


 もちろん一切手は出していませんよ。

 そのくらいの激情に駆られた経験があると言っているだけです。


 私の場合も全て

『忙しい時』

に湧き出てきていました。


 それを改善するための第一歩は間違いなく

『業務量を減らす事』

です。



<介護職員の言葉遣いが良くなる>

 これも心の余裕からくるメリットです。


 ご利用者のことを

「○○ちゃん」

のように呼ぶ言葉遣いはまた別問題です。


 そのようにご利用者に対して親しみを込め過ぎて起きる言葉遣いではなく、イラついて発せられる言葉遣いの改善に繋がります。


「ナースコール何度も鳴らさないで!」

「ウルサイ!」

「何度言ったらわかるの!」

「本当に迷惑だから!」

「邪魔!」

等々。


 このような介護職員からの暴言。

 日常的に起きています。


 そのような言動をしている介護職員も普段は丁寧だったりします。

 このような言葉が出て切る場面も、その多くは

『忙しい時』

です。


 忙しさは人の心の余裕を失わせます。

 心の余裕がない状態では命令口調になり易いので、命令するような言葉遣いや暴言が出てくるわけです。


 その辺りもなくしたいのであれば、業務量を減らす取り組みは必要になります。



<介護職員の介助が丁寧になる>

急いでいるので

◎、ご利用者を半分投げるようにトランス(移乗介助)をする介護職員

◎、まだ口の中に食べ物が入っているのに食事を詰め込む介護職員

◎、まだオシッコをしていないのに直ぐトイレから立たせる介護職員

◎、スポンジブラシで口の中をクルクルと軽く触るだけで口腔ケアをお終いにする介護職員

等々。


 正直介助としては全て雑ですよね。

 でも実際にそのような介護職員は多く存在してします。

 なぜそのような介助をしてしまうのか?


 もちろんその大きな部分は

『忙しいから』

です。


『他にもまだ移乗しないといけないご利用者が大勢いる』

『早く食堂片付けをしないといけない』

『まだ何人もトイレ誘導しないといけない』

等々。


 介助が雑になる時の背景には、やはりやるべき決められた業務が詰まっている。


『忙しい時』

これが存在しているわけです。


 業務量を減らす事で、これらの雑な介助も改善していきます。



<介護職員がご利用者の訴えをすぐ聞くようになる>

 ご利用者が食事の直前で

「トイレ~!連れて行って」


 食べるのが早いご利用者が食事の後に

「早く寝かせて!」


 ご利用者を一斉に起こさないといけない時間帯に

「お水ちょうだい!」

等々。


 ご利用者からのこのような何気ない訴えが聞こえない介護職員が多くいます。

 いや、実際には聞こえていますが、聞こえない振りをするわけですね。


 聞こえなければ対応する必要がありませんので。

 なぜそんなことをするのか?

 もう言わなくてもお分かりですよね。


『忙しいから』

です。


 そのような訴えに対応していたら業務が終わらないからです。

 業務が終わらなければサービス残業だったり、食事休憩が取れなくなるからです。


 ではどうしたら良いのか?

 これも言う必要はありませんね。


『業務を減らす事』

です。


 対応していても余裕で業務が終わる状態なら、介護職員の心の余裕も生まれ、対応するようになっていきます。


 とても重要なことなので何度も言います。

 心の余裕がないからご利用者の訴えが聞こえない振りをするんです。


 心の余裕を生み出すためには業務量を減らす必要があります。




業務量を減らす取り組みは職員を信頼する事である

 始めにも少し言いました。


 業務を減らす取り組みは

『職員を信頼する事』

と言えます。


 介護施設で業務量を減らす取り組みが進まない理由としては

「サボる職員が出て来るから」

こちらを優先するからです。


 そして、

「業務を減らしてやる気が高まる職員なんて本当にいるの?」

と疑問に思うからです。


 それほど現場の介護職員のことを信用していないと言うことです。


 つまり、施設として

『業務量を減らす』

という取り組みを行う事は、これらの不信感を払拭しなければ行えません。


 業務量を減らすことに尽力することは

『現場の介護職員を信頼する』

ここから始まるわけです。


 ちなみに、なぜ現場の介護職員をここまで信用出来ないのか?

 それは役職者が職員を見ていいないからです。


 そして、承認していないからです。

 頑張りを見てもらえず、承認して貰えないなら職員は辞めて行きます。

 やりがいがありませんので。


 そのため、

「そうは言っても業務量を減らすのはやはり不安だな」

と踏ん切りがつかない場合は、現場の介護職員を承認することから始めて下さい。


 承認についてはこちらをお読みください。




最後に

 今の時代は

『労働量=収益』

と言う考え方は捨てましょう。


 とうの昔にそのような時代は終わっています。

 どうしても介護施設は閉鎖的で、社会の流れから10歩くらい遅れを取っています。

 更に、職員の多くは社会の流れに鈍感な職員が多いので、その事に気付いている職員が少ない状態にあります。


 役職者が社会の流れに気付いていないと変えて行くのは難しいのですが、この社会の流れに気付いている役職者は是非

『社会の流れに沿った施設運営』

これを目指して欲しいと思います。


 施設存続のためにも、介護の質向上の為にも、

『業務量を減らす』


 是非この視点を持った取り組みを行って欲しいと思います。

 具体的な業務仕訳の方法については需要次第で、実際に取り組んでいる介護施設の方法を紹介するかもしれません。

 これは需要次第です。



 少しでも私が言っていることが

「役に立った」

「面白かった」

等、興味を持って頂けた貴方は

◎、ツイッターのフォロー

◎、記事のシェア

◎、 読書が苦手な人に本や知識を紹介するブログ。

◎、『ふたひいの話を聞くよ!相談室』

等も宜しくお願いします。                                     

ふたひいに

「これで缶コーヒーでも飲んでよ!」

と応援してくれる貴方はこちらからお願いします。
ふたひい@…にOFUSEする