あずみの里訴訟のその後。高等裁判所での注目ポイント。

2020年2月26日

「介護現場が崩壊する」と言われた裁判

 地方裁判所の結果と、この事件全体への私の見解等はこちらの記事を読んで下さい。


 ここでは高等裁判所での裁判で必要な最低限の概要だけ紹介します。


 長野県にある特別養護老人ホームあずみの里。

 ここの准看護師が介護の応援として現場に入った時、食事形態がゼリー食に変更となっていたご利用者にドーナツを提供してしまい、そのご利用者がドーナツを詰まらせて意識不明に。

 その後搬送された病院で1ヶ月後に亡くなる。


 なお、このご利用者は歯はなく、かき込む癖はあるも、誤嚥等がなかったので変更前は常食だった。


 これを受け、准看護師を業務上過失致死罪として検挙した事件。


 地方裁判所での判決は大きく3点。

①、職員の見守り不足によって発生する事故を防ぐのには限界がある

②、死因はドーナツによる窒息が原因

③、准看護師に形態変更を知る必要性はあった

として准看護師を有罪にした。


 概ねこのような内容です。


 准看護師を擁護する弁護団は

「これではまだ介護現場が崩壊してしまう!」

と直ぐに控訴(地方裁判所の判決を不服として「高等裁判所で争わせろ!」とする事)しました。


 その高等裁判所での裁判が2020年1月30日に行われました。

 争点となったポイントとに加え、一回目公判の内容説明を追記しました。




あずみの里訴訟高等裁判所での注目ポイント(争点

 弁護側の不服ポイント(争点)はこんな感じです。

①、病院に搬送されてから1ヶ月後に死亡しているのだから窒息が死因ではない

②、准看護師に食事形態変更を知る義務はない



<「死因は窒息ではない」>

 弁護団側の主張の一つ。

「死因は窒息ではない」


 では死因は何なのでしょうか?


 脳梗塞と主張しているようです。

 証言する医師を証人として出す予定のようですので注目ポイントです。


追記:証人は呼ばれなくなりました。詳細は次項で説明しています。



<「食事形態を知る必要はない」>

「准看護師は介護の応援で入っただけだし、普段常食で問題なかったんだから、食事形態が変更されていた事なんて知れないじゃないか!」

という事のようです。


 地方裁判所も

「普段常食だったご利用者なら、ドーナツを提供するのもあり得るよね」

と理解を示しています。


 裁判所はそこではなく、

「何で申送り帳に書かれている食事形態の変更を知らないの?知ろうとしなかったの?」

という部分に責任を追及しています。


 この裁判所に対して弁護団は

「元々常食だったご利用者の食事変更を知らないのは仕方がないでしょ?応援で入っただけだし。その程度のミスで犯罪として罪に問うのはやりすぎでしょ!」

と反論しているわけです。




追記:高等裁判所、一回目の結果と説明

 高等裁判所での内容が明らかになってきたので裁判内容を追記します。

 裁判所は、一回の審理のみで終結とし、次回に判決を下す事としました。


 ネットニュースを見ればこれは直ぐに判明します。

 しかし、この判断が結局どういう意味か分からない人も多いと思いますので、少し説明します。


 高等裁判所では1月30日に行われた一回目でお互いの主張を聞きました。


 簡単に言うと

検察「地方裁判所の判決通りで准看護師は有罪です!」

弁護「いや、地方裁判所の判決は間違っている!准看護師は無罪です!」

と言い合ったと言う事です。


 そして、本来は二回目以降の裁判でその主張を裏付ける証拠や証人を呼んで更に精査していく事になります。


 しかし、今回高等裁判所はお互いの主張を聞いただけで終結させているので、実質的に

「これ以上続ける必要はない!証人や証拠なんていらん!もう決まっている!」

と言っているわけです。


 弁護側が無罪を主張する証人を準備していたとのことですが、

「その証人を呼ぶ機会すら必要ない!」

と言っているわけですね。


 だから実質的に弁護側が負けの可能性が高いと言う事です。

 まだ判決が出たわけではないので、可能性の話ですが。


 次回の、判決が出される日程はネット記事に出ていないので分かりません。

 分かり次第追記します。




あずみの里訴訟控訴審への個人的な感想

<あずみの里訴訟で介護は崩壊しない>

 最初に紹介した記事でも書いていますが、個人的な考えは一つです。

「裁判所は介護現場への理解を示し、崩壊しない判決が出ています。裁判を継続するのは自由だけど、もう無関係な介護現場を巻き込むのは止めてくれ」

です。


 介護現場は崩壊しないのに、

「このままでは崩壊する!」

と騒いで法知識がない現場を巻き込んでいます。


 実際にこの裁判で介護現場が崩壊するなら、最初の判決が出て約1年経つ現時点で、崩壊していないと不自然ですしね。


 貴方の周囲で何か介護現場が崩壊する影響は出ましたか?

 出ていないですよね?

 それが、この裁判で介護現場が崩壊しないと考える何よりもの証拠ですよね。


 控訴しているとはいえ、判決は出ているんですからね。



<追記>

 このあずみの里訴訟の結果次第では介護現場が崩壊するかもしれない情報を入手しましたので追記します。

 その内容は准看護師を擁護するために医療関係者が言っている内容です。


 そのため、准看護師が勝訴すると介護現場が崩壊してしまうかもしれません。


 その発言内容やそれで何故介護現場が崩壊するのかの詳細はこちらをお読みください。



<介護現場を舐めているのはどっち?>

 この准看護師が有罪になろうと、無罪になろうと私達介護現場の人間には関係ありません。

 ただし、敢えて介護現場の人間としてこの事件の内容に意見をさせて頂くなら、准看護師側に疑問があります。


「食事形態変更を知る必要がない」

と主張する部分です。


 この准看護師は

「看護師職員は介護現場の事をそこまで知る必要はない」

と主張しています。


 実際にこの食事変更は1週間前にカンファレンスで決定されており、介護の申送り帳には書かれていたようです。


 それを

看護職員だから読む必要はない」

と言っているわけですからね。


「は?介護を何だと思っているんだ?」

と私は思ってしまいます。


 この事件の経緯やメディアでのインタビュー内容、人間性を知れるような情報等々まで知っている私としては、他にも准看護師を擁護したくない情報は沢山あります。


 しかし、それらを言い出すと人格否定レベルの内容になってしまい、裁判とは関係ないことですので省略します。




最後に

 この記事を読んでいる貴方が准看護師を擁護する意見でも、裁判所を擁護する意見でも、どちらでも良いと思います。


 ただし、先程言ったようにこの裁判で介護現場は崩壊しません。


 だから、

「介護現場が崩壊してしまう!」

と不安を煽る行為だけは止めて欲しいと思っています。


 裁判に関係ない立場の介護現場の私達は崩壊しない事実だけで十分なんです。


 裁判は裁判として、当事者や応援したい人達が勝手にやって欲しいです。


 ただでさえ人手不足で大変な現場に、不要な不安を与えて更なる混乱を招かないで欲しいです。


 それでも一度

「介護現場が崩壊する!」

とのパワーワードを受けて気になる介護職員は多いと思います。


 そのため、不安な気持ちを持ってしまった、巻き込まれた現場の介護職員のために、高等裁判所での経過等もそれなりには紹介していくと思いますので、気になる貴方はまた来て下さい。



 少しでも私が言っていることが

「役に立った」

「面白かった」

等、興味を持って頂けた貴方は

◎、ツイッターのフォロー

◎、記事のシェア

◎、 読書が苦手な人に本や知識を紹介するブログ。

◎、『ふたひいの話を聞くよ!相談室』

等も宜しくお願いします。                                     

ふたひいに

「これで缶コーヒーでも飲んでよ!」

と応援してくれる貴方はこちらからお願いします。
ふたひい@…にOFUSEする