今後の介護業界と必要な介護職員の形。【テキパキした介護職員は必要ない』

需要は増えるが安泰ではない

 今後超高齢化社会の日本では、介護の需要は今以上に増していきます。


「このまま進めば」

という前提はありますが、このままいくと75歳以上の高齢者が人口の25%を超える時も近いです。


 これは、介護職員が足りなすぎて社会崩壊だってあり得るレベルだと思われます。


 その前に2025年問題、2021年問題もあるので、その前に社会崩壊しないとも限りませんが。

 2021年問題についてはこちらをどうぞ。


 そのため、介護職の今後を予想する記事の多くでは

「介護は益々必要になるので安泰!今から介護福祉士を取得すれば一生モノの資格になる!」

等と言われています。


 しかし、これらの予想は人口の推移から見た場合限定の話です。

 正直私はそこまで楽観視はしていません。


 人口推移からだけでは読み取れない今後の介護業界についての推測と、そんな時代に生き残るための介護職員を提示します。




介護の仕事はAIに奪われる

<介護ロボットを国が推進>

 今後の介護業界を見る上で重要になってくるのがAIの存在だと思います。

 2025年問題が間近に迫っています。


 介護保険を支払う人が激減し、使い始める人が増えすぎて社会保障が保てなくなることが危惧される問題ですね。

 それに伴い、介護職員の不足問題も危惧されています。


 喫緊で介護職員の不足は大問題として捉えられています。

 そこで急激に開発が進んでいるのが介護AIです。


 国も介護ロボットの開発を正式に支援しています。



<「使いモノにならない」からの10年>

 少し前にこのSOWAN(ソワン)という名前の介護ロボットが話題になりました。


 正直な話、介護関係者からの評価は酷評ばかりです。

「こんなの必要ない」

「何の役にも立たない」

「むしろご利用者の転倒リスクを高めるんじゃないの?」

等々。


 要は

「使いモノにならない」

と言う評価がほとんどですね。


 実はこれって”とあるモノ”と共通しています。

 それがアイフォンです。


 今でこそスマホ市場を席巻するアイフォンですが、発売当初は

「こんなの使いモノにならない。使いにくい」

と酷評でした。


 それが5年、10年と経ちどうなっていますか?

 新型が発売されれば我先に買い求める人も多く、ニュースでも取り上げられ、大きな話題になります。

 その技術は最先端をいきます。


 たったの5~10年で

「使いモノにならない」

がここまで進化しました。


 まさかこんな世の中になるとは、世間のほとんどの人は思ってはいなかったと思います。

 しかし、今はそのくらいに進化するスピードが速いんです。


 では、今はまだ

「使いモノにならない」

と言われている介護ロボットの5年後、10年後はどうなっているでしょうか?



<今までの介護AI>

 身体介護を行う介護ロボットだけで見るとまだ人間の介護職員の代わりに仕事を出来る状態にはありません。

 しかし、脳に当たるAI。

 こちらの技術は既にかなりのところまで来ています。


 例えば排泄予想を立ててくれる

《Dfree》

 正直、もっと安ければ、現状の機能だけでも欲しい介護施設は多いですよね。


 ご利用者の失禁を減らせる、無くせるわけですから、ご利用者の負担や尊厳を守れるだけではなく、介護職員の負担も減らせます。



<最新の介護AI>

 そんな中、

『おはよう21』

という介護専門月刊誌の2020年2月版に最新介護AIの記事が載っていて驚かされました。


 トヨタと大阪大学の共同開発をしている介護AIです。

『センサー等によりご利用者の行動を自動認識。それを文章にすることが可能』

という機能です。


 これの何が凄いのか?

 それは、これだけで日誌作成の仕事がなくなると言うことです。

 AIが確認と日誌の記帳までやってくれるので。


 これだけでも介護職員の仕事がかなり減りますよね。

 更に、事故報告書も自動作成されるようになりますし、介護職員が見ておらず発症不詳な事故もなくなります。


 更に、そのほとんどが確認できていないであろうヒヤリハット。

 これも認知できるようになるので、精度の高い事故防止対策が取れるようになります。

 ヒヤリハットが適切に認知できると何故精度が高い再発防止対策が行えるのかは、こちらの記事をお読みください。


 頭脳がこのようにドンドン進化するなら、身体介助の介護ロボットも完全にロボットだけで人間が不要になる未来も容易に想像できます。


 すでに身体介助のロボットも一部分だけなら行えるくらいのレベルには達しています。

 トイレ介助、移乗介助はまだ完全にはロボットだけでは行えませんが、

「近いうちにロボットだけでも行えるようになるだろう。」

と思わせるくらいの技術です。



<仕事が減る?仕事を奪われる?>

 介護ロボットの問題点はむしろ技術力よりも料金です。

 しかし、その部分も先ほど紹介したSOWAN(ソワン)はクリアしています。

 月6~7万円ですから介護職員を雇うより遥かに安いです。


 このような介護ロボットの進化によって私は

『人間の介護職員の仕事が減る

と感じます。


 しかし、人によっては

『仕事を奪われる

と感じるかもしれません。


「仕事が減る

と有難く感じる貴方は基本的に、作業や業務よりも介護職員としてやりたいことや重要視している部分があるんだと思います。


 一方で

「仕事が奪われる

と感じている介護職員は、作業や業務の部分に自分のアイデンティティ、つまり居場所を見出しているのかもしれません。




今後の介護業界に求められる介護職員とは?

<仕事がテキパキ出来る介護職員は必要ない>

 では、この時代の流れの中でこれからの介護職員として、人間に求められる事とはなんでしょうか?

 今までは介護施設で

「この人は仕事が出来る人だ!」

と評価されてきた

◎、仕事覚えが早い

◎、仕事をテキパキとこなす

◎、何でもこなすのが早い

こんな介護職員は不要になってくると思います。


 物覚えが早いといっても、それは所詮過去の施設の決まりごと、介護の仕方のことです。

 そんなモノはコンピューターに記録すれば即時記憶・実践でき、しかも忘れることがありません。

 人間が太刀打ちできるモノではありません。


 仕事が早いと言っても、AIやロボットにやらせれば良い部分をやっているにすぎないので、それでは意味がありません。


 人材不足のため、人間の負担軽減、経費削減のために介護ロボットを導入しているのに、ロボットと同じことしか出来ない人間なんて必要ないんですよね。


 だから、仕事覚えが早かろうと、テキパキ仕事が早かろうと、これからの介護施設にそんな人間は必要なくなると思います。


 先述した通り、これは遠い未来の話ではなく近い将来の話です。

 そのくらい速い速度で介護ロボットは進化しているのですから。



<必要な介護職員とは?>

 AI・介護ロボットが進化し、ほとんどの仕事をこなしてくれるようになった時に、それでも必要とされる介護職員とは?


 それはAI、介護ロボットに出来ないことが出来る介護職員です。

 人間にしか出来なことを出来る介護職員が必要なんです。


 ではAI・介護ロボットに出来ない、人間にしか出来ない事とは何でしょうか?


 それは大きく2つ。

『人間味』と『創造』

です。


 ロボットや人形技術がどんなに進化しても、まだ人間特有の人間味は出せません。

 最低でも近い将来では無理っぽいです。


 更に、物事を作り出す創造もまだまだAIやロボットには不可能とされています。


 ではそれぞれ

『人間味とは何でしょうか?』

『創造とは何でしょうか?』

簡単に見ていきましょう。



<今後の介護に必要な人間味>

 母親の手が触れていると人は安らぐと言う話は沢山聞きます。

 実はこれは母親の必要はありません。


 人の手が触れている状態であれば落ち着きます。

 包まれている感覚があるとより効果的です。


 その詳細は睡眠介助のコツとして別記事にするかもしれませんので、今回は省略します。

 興味がある貴方はツイッターのフォローをしてお待ちください。


 これはいわゆる

《人のぬくもり》

と言うものです。


 その触れている手には単なる肉や骨の感触だけではなく、人の感情も微妙な力加減として伝わります。

 そこには感情も乗っかり、常に微妙な変動をしているためロボットや人形ではまだ再現は難しいようです。


 更に、精神面の人間味と言う部分でもまだまだAIには難しいようです。

「もう死んでしまいたい!」

このように訴えかけて来るご利用者はいます。


 そんなご利用者に安心感を与えることは人間にしか出来ません。

 過去の成功例をロボットに記録していても、どれを今目の前にいるご利用者に掛ければ良いのかの判断が出来ません。


 その場の空気感と言うモノは確かに存在しますので、それを読み取れるのは人間だけです。

 だから私は死生観を学ぶことは介護職員として重要と言い続けています。

 実際に死生観の勉強が役に立った実話にきょうみがあればこちらをどうぞ。



<今後の介護に必要な創造性>

 次に創造性です。

 AIは組み込まれたデータを元に動きますので、何もない部分から何かを生み出す事は出来ません。


 それが出来るのは人間だけです。

 そのため今後は介護職員にも創造性の能力は必須になると思います。


 ただし、多くの人間の創造した物が組み込まれ、共有されていくのでキチンと鍛えられた創造性じゃないとAIを超える事は出来ません。


 AIが活用できるのはデータですが、そのデータを作り上げているのは多くの人間ですので、誰でも思い付くような創造能力は人間特有の創造性とは呼べなくなると思います。


 一朝一夕で身に付くモノではありませんので、まだAIや介護ロボットの性能が実用化には足りていない今から創造性を高める行動が必要だと思います。




これからの介護職員の教育

 もちろん、教育すべきことは

《人間性の向上》

《創造性の向上》

です。


 その施設での介護のやり方なんてモノはAIや介護ロボットが進化するまでの繋ぎに過ぎません。


「どんな介護をやりたいのか?」

「どんな理想を持っているのか?」

 まずはこれを持つ事が重要になると思います。


「綺麗事を言うな。理想語りは不要」

と言う介護職員もいますが、これからの時代はむしろ理想や綺麗事を創造できない介護職員は不要になると思います。


 そして

「何故それをしたいのか?」

その思いを文章化して、心に刻ませる。


 その上で教育を始める必要があると思います。

 理想や綺麗事には必ず

《人としての思い。人間味》

があるからです。


 それはロボットには創造できません。


 もちろん、そうは言っても今の介護現場では即戦力を求めていますので、仕事を早く覚えてもらうことも今はまだ重要です。


 しかし、新人職員や若い職員さん達の未来を思うなら、あくまでも教育上重視すべきは理想ややりたいことの思い。

 人間味や創造性の訓練です。


 それらを鍛える方法。

 それなりに私自身は出来るのですが、文章として他者に具体的に伝えることがまだ出来ません。

 私もまだ、質問に回答するような形でしか創造ができない未熟な状態ですね。




最後に

《これからの介護業界》

と聞いて

「人材不足、忙しくなる」

と想像する人が多いかもしれませんが、私は逆だと思っています。


 人材不足だからこそ、AIや介護ロボットの開発が早くなり、人間が必要なくなるように世界が頑張るようになると考えています。


 その進化の早さは今後さらに加速すると思います。

 AIととても相性の良いブロックチェーンも2020年から本格稼働するモノが多くあります。

 更にその先には量子コンピューターも控えています。


 時代は進化なんて生易しい表現では済まないレベルで加速する可能性もあると言う事です。


『人間にしか出来ないことを介護職員が行う時代』

 私としてはむしろ望む未来です。

 人間味に溢れ、創造性豊かで新たな刺激に囲まれた施設。


 自分の人生最後の場として、それなら有りな気がします。


 貴方はこれからの介護業界に生き残れる介護職員ですか?



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