知らないと感染症が蔓延する恐れも!?介護施設における加湿器選びで知っておくべき4つの加湿器。
加湿器はインフラ!

10頃から2月、3月にかけて乾燥が強くなってきて、加湿器の活躍する季節になってきました。
街の至るところで加湿器が頑張って動いている姿を見かけるようになり、もはや加湿器は日本の冬のインフラと言っても過言ではないと思います。
そんな中、当然介護施設でもこの季節加湿器が稼働し始めます。
自動で稼働する大型の加湿器が導入されている施設は良いのですが、問題は家庭用加湿器を何台も使っている介護施設。
冬の季節は加湿器の吸水や消毒乾燥等、介護職員さんは大変だと思います。
どうせ仕事が増えて大変になるなら、せめて少しでも効果がないと切なすぎますよね。
しかし残念なことに、加湿器を人気商品で選んでしまい、あまり意味がない使い方をしている介護施設が多く見られています。
そこで今回はキチンと効果が出るように適切な加湿器を選択し、適切に使用できるように、加湿器の種類とその特徴について書いていきます!
加湿器の種類は4種類

加湿器と一言で言っても大きく4種類あり、それぞれに特徴が全く違います。
◎、スチーム式加湿器
◎、気化式加湿器
◎、超音波式加湿器
◎、ハイブリッド式加湿器
それぞれに、それぞれの特徴があり、衛生面の違いや、適切な置く場所も違ってきます。
それぞれの特徴を見ていきますので、貴方の働いている介護施設に合った加湿器を選ぶ参考にして下さい。
なお、既に導入しており、新規で購入が出来ないなら、効果のあるような使い方の参考にして下さい。
スチーム式加湿器

<特徴>
水を加熱して蒸気を吹き上げることで加湿するタイプです。
そのため、長時間稼働していると室内が温かくなります。
<加湿速度>
水蒸気で一気に噴きあがる感じなので加湿速度は速いです。
ただし、蒸発させるまでヒーターを熱するまでに時間が掛かるため、動き出しには時間が掛かります。
<置き場所>
蒸気が広く吹き出すので、特に場所を選びません。
近場にカーテン等がない開けた場所に置くと良いと思います。
<衛生面>
加熱した水で加湿するので、煮沸消毒しているようなものですので、加湿器の中で一番衛生的です。
<安全面>
水蒸気なので、倒してしまう等をすると火傷の可能性がゼロではありません。
介護施設では、この安全面が確保できるのであれば、衛生面を考え、スチーム式は候補に入ると思います。
<電気代>
他の加湿器と比べると高いです。
ヒーターを熱して水蒸気を噴き上げますので、他の暖房器具と同等です。
<本体価格>
昔ながらなタイプで、安い物が多いです。

気化式加湿器

<特徴>
水に風を送って気化するタイプです。
室内に洗濯物を干していたら室内が潤うのと同じイメージです。
そのため、室内は暖かくなりません。
むしろ風に当たると寒いです。
空気清浄機に装備されている加湿機能はこの気化式がほとんどです。
<加湿速度>
風を送るだけなので、一番ゆっくりに加湿します。
結露等にはなり難いですが、本当にゆっくり加湿です。
<置き場所>
加湿速度がゆっくりな分、一番拡散しやすいので置き場所は自由です。
ただし、先程も言ったように、出される風はむしろ寒いので、介護施設で使う場合、ご利用者の近くに置いておくと
「この風寒いから止めてよ!」
と言われます!
<衛生面>
気化するだけ、室内干しをするのと変わりませんので、衛生的です。
<安全面>
中身はただの水ですし、加熱もしませんので安全です。
気化式加湿器も衛生面と安全面両方が高いので、介護施設導入の候補には入ると思います。
ただし、加湿機能がゆっくりなので、常時稼働の必要性はあるかと思います。
<電気代>
ファンを回すだけですので、安いです。
<本体価格>
空気清浄機とセットだと高いですが、気化式加湿器単体なら安い物が多いです。

超音波式加湿器

<特徴>
超音波で水を物凄く振動させることで蒸気にして加湿するタイプです。
家電量販店に行くと、半分以上はこのタイプが売られており、一番人気になっています。
これも温めないので、吹き出される蒸気は寒いです。
<加湿速度>
スイッチを入れるのと同時に蒸気が噴き出し始めます。
加湿速度はかなり早いと思います。
<置き場所>
出来るだけ高い場所に置いて下さい。
超音波。
つまり、物凄く早い振動で蒸気にしているだけなので、蒸気の水滴が大きく重いのが特徴です。
そのため、拡散力が弱く、蒸気が近場に落ちます。
超音波式は下を加湿するイメージで置いて下さい。
そのため、腰の位置の床頭台に置いて部屋全体を加湿するのは難しいです。
カーテンの近くに置くと、カーテンがビショビショになりますし、加湿器を置いた台もビショビショになります。
<衛生面>
一番手入れの必要があります。
溜めた水をそのまま蒸気にして吹き出すので、細菌が繁殖していると加湿器のせいで感染症が蔓延します。
毎日の除水と乾燥、定期的な消毒は必須です。
<安全面>
ただの水で加熱もしないので、水自体に危険性はありません。
しかし、下がビショビショになるので、濡れた床でご利用者が転倒する事だけないように注意が必要です。
超音波式を介護施設に導入するのは一番リスクが高いと思います。
しかし、始めに言いましたが、人気と言う部分で、これらの特徴を知らないまま超音波式加湿器を大量導入している介護施設は沢山あります。
<電気代>
超音波を伝えるプレートがあるだけなので、電気代は安いです。
<本体価格>
これも安い物が多いです。
値段的には他と大差ないと思います。

ハイブリッド式加湿器

<特徴>
加熱された温風を水に当てて加湿するタイプの加湿器です。
簡単に言うとスチーム式と、気化式の良いとこ取りがハイブリッド式加湿器です。
ただし、最近ではスチーム式と超音波式の組み合わせの商品も出てきているようですので、全てがここで紹介する特徴とは限らない事を予めご了承下さい。
<加湿速度>
直接水を加熱するスチーム程ではありませんが、比較的早く加湿してくれます。
<置き場所>
基本構造は気化式なので、拡散力が強く、置き場所を選びません。
<衛生面>
ただでさえ衛生的な気化式に更に加熱要素も加わっているため、衛生的です。
<安全面>
水に当てる風を温めるだけなので、水自体は熱くないので安全です。
更に蒸気を吹き上げるほどの蒸気量ではないので、周囲が濡れるような危険性もほぼありません。
※ スチーム式+超音波式はガッツリ蒸気が出るようです。
<電気代>
ヒーターとファンの両方を動かすので電気代は一番高いです。
<本体価格>
他のタイプの数倍高いです。
性能的には介護施設に一番向いていると思います。
しかし、電気代と本体価格どちらも高額なので、大量導入するとしたら予算的にオッケーが出る介護施設は少ないのでは?と思います。
最後に
最初の方のタイプを忘れてしまっているかもしれませんので、それぞれの特徴を簡単にまとめます。
◎、スチーム式は、加湿機能は高く衛生的だけど、熱湯が危険。電気代も高い。
◎、気化式は、衛生的で、危険もない。電気代も安い。けれど加湿機能が弱い。
◎、超音波式は、加湿機能は高く、電気代も安い。けれど手入れが大変で危険性もある。
◎、ハイブリッド式は、加湿機能は高く、衛生的で安全。しかし、電気代も本体代も高額。
どれも一長一短ですね。
もしも私が選択するなら、
常時稼働にして、気化式加湿器の導入が一番介護施設には合っているように私は思います。
お金の問題がないならハイブリッド式加湿器一択で良いと思います。
既にこれらのどれかを導入しており、買い替えが出来ない状態なら、適切な手入れや、適切な場所に置いて活用して見て下さい。
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