介護施設における事故報告書の記載例 《転倒》

「事故報告書の書き方を教えてもらえない!」

 キチンとした事故報告書の書き方を教えてもらえない施設が多いです。

 そして、他職員の書いた事故報告書を真似て書かされて、それで覚えてしまう。


 その繰り返しだといつまで経っても本来の目的を達成するためのキチンとした事故報告書は出来上がりません。


 事故報告書の書き方についてはこちらの記事をお読みください。

 

 今回は書き方ではなく、具体的な記載例を私が作成して掲載します。


 施設や職員によって

「これは重要!」

「これは要らない」

の細かい違いはありますが、このくらいの状況説明を書いておけば及第点は取れるくらいに基礎は抑えた文章ですので、

「どう書いたら良いのか分からない」

「書き終えてオッケー貰うまで帰れない」

なんて状態の貴方は是非ご活用ください。


「何故このような書き方なの?」

「反省の気持ちは入れなくて良いの?」

等の疑問がある貴方は先ほど紹介した書き方の記事を読んで下さい。


 そちらにそれらの説明があります。




転倒事故ケース1『居室で転倒』

<事故発生時・発見時の状況>

1:00 ナースコールが鳴り訪室すると、ベッド脇にて、車イスフットサポートの上に座っているところを発見。

 車イスのブレーキは掛かっているも、フットサポートは下がったままだった。


 どうしたのか質問すると

「子供がいたから追い掛けて、正月の準備しないと」

等との声があり詳細は判明せず。


 外傷・赤み等はなく、痛みの訴えも聞かれず、職員2名でベッドへ移乗する。


1:10 バイタル測定。体温36.5℃、血圧170/75、脈90、酸素飽和度99%


1:30 血圧高いため再検。血圧125/65。気分不快等なく笑顔見られる。

7:00 早番の医務に報告し、様子観察。



<事故発生原因>

 フットサポートを上げずに一人で立ちあがりバランスを崩して転倒したと思われる。



<対策>

 フットサポートを上げてから立ちあがるように継続説明をして行く。

 職員が見守り、移乗を行うようにする。




転倒事故ケース2『見守り中に転倒』

<事故発生時・発見時の状況>

19:00 食堂でモップ掛けをしていたところ後方よりドンと音がし、振り返ると床に座り込んでいるのを発見。


 テーブルと椅子は1メートルくらい離れている状態で、その間に座り込んでいた。


 どうしたのか聞くと

「座ろうとしたら転んじゃった。」

との声あり。

 外傷・赤み、痛みの訴えはなく椅子へ移乗する。


19:10 バイタル測定。~以下省略~



<事故発生原因>

 立ち上がり、椅子があると勘違いし、座ろうとして転倒したと思われる。



<対策>

 職員が多い時間にモップ掛けをするように変更を検討し見守りの強化。

 夕食後は車イスに座ってもらい付き添いをしつつ片付けを行う。




転倒事故ケース3『手引き歩行中に膝折れをして転倒』

<事故発生時・発見時の状況>

13:00 トイレ誘導をするため両手を持ち、手引き歩行を行うと、膝の力が抜けそのままゆっくり座り込む。

 外傷・赤み・痛みの訴えはなし。

「脚に力が入らなくなっちゃった」

との声あり。


13:10 医務に報告しバイタル測定。

~以下省略~



<事故発生原因>

 歩行中に脚の力が抜け、立っていられず、支えもなかったため転倒。



<対策>

 手を持つ歩行ではなく、肘を持ち側面付き添い歩行を行う。

 場合によってはズボンを支えての歩行を行う。

 状況に応じて車イスの使用を行う。




転倒事故ケース4『他ご利用者に引っ張られて転倒』

<事故発生時・発見時の状況>

15:00 本人が椅子に座っているところ、別のご利用者が近づき、手を引いて立たせようとしていたため、止めようと近づくも間に合わず、両名一緒に転倒。


 手を引かれ勢いよく転倒し、テーブルの角に頭部を殴打。

 左側頭部に約5センチの裂傷あり、出血。

 圧迫法による止血を行い医務に連絡。


 顔色蒼白、焦点が定まらない様子あり。

 大丈夫か声掛け行うも

「あぁ、うぅ」

との呻きのみで発語出来ず。


 出血激しくバイタル測定不可。


13:10 救急要請。

13:30 ○○病院へ救急搬送。 


病院にて外傷性くも膜下出血との診断、入院となる。



<事故発生原因>

 座っている本人を他のご利用者が無理に立たせようとし、両名ともバランスを崩したため。



<対策>

 無理に立たせようとするご利用者がいることを認識した見守りを行う。

 角のある場所にはクッションを設置する。




最後に

 恐らく

「もっと良い対策方法があるでしょう!」

との意見もあると思います。


 それならこの記事を書いた甲斐があります。

 良かったです!

 と言うのも、私は別に自分の書く事故報告書を絶賛して欲しいわけではありません。


 この記事をキッカケに、より適切な対策案を貴方に考える機会を与えることが出来たと言う事ですから本記事にも意味があったと言う事です。


 なお【転倒】と【転落】は違いますので、記事も分けます。

 その違いの説明も含めて、介護施設の事故報告書《転落》をお待ち下さい。


「こんな状況だったら、どんな感じになりますか?」

等の質問もお待ちしていますでの、コメントまで。

 ただし、本記事では転倒限定でお願いします。

 他の事案は他の事案で記事を書きますので、それまでお待ち下さい。



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