介護業界の人材不足を改善する方法。<応募したくなる施設の魅力を考える>

2019年11月14日

「介護の現場が崩壊する!」

<あずみの里裁判>

 これはあずみの里訴訟と呼ばれる裁判で叫ばれている言葉です。

 この裁判結果によっては日本の介護現場が崩壊してしまうと言う意味のようです。


 結局崩壊するような裁判結果にはなりませんでしたが、詳細に興味がある貴方はこちらの記事をどうぞ。


 裁判結果は確かに大丈夫でしたが、介護職員の人材不足が解消されたわけではありません。



<2025年問題>

 高齢者数と高齢者を支える若者のバランスが大きく崩れ、様々な問題が生じるとされている2025年問題。


 2025年問題は主に社会保障制度が崩壊する部分が最も注目されていますが、それだけではありません。


 介護職員の人手不足により、それだけの高齢者を介護しきれなくなる問題も指しています。

 本記事で《介護2025年問題》と言ったら、介護職員不足の部分だと思って下さい。


 この2025年というのは介護業界においてのタイムリミットと言っても過言ではありません。



<人手不足解消の肝は職員募集内容>

 そこで今回は、介護職員を募集する際に重要となってくる、職員募集の内容。

 特にその中でも重要になってくる職場の魅力。

 これの抽出方法を提案します。


「貴方の施設の魅力とは何ですか?」

 自分達でもこれが分からないなら、求職者だってどこに魅力を感じて応募して良いのか分かりません。


 魅力がない施設なんかに就職する意味もメリットもありません。

 それでは職員が集まらなくても当然ですよね。

 まずは貴方の施設の、貴方の施設だからこその魅力を明確にしましょう!




介護業界の人材不足の原因

<募集内容が薄い>

 もちろん、様々な要因があると思いますが、今回私が注目するのは募集の内容です。


 正直

「真剣に考えていないんだろうな」

との印象を受ける募集ばかりです。

 もう少し具体的に見ていきましょう。



<ありきたりな文言を使っている>

 ネットや社協の職員募集の内容を見ていると、私はこのような感想を持ちます。

「どこの施設も同じような文言ばかりで何の特徴も、魅力も見えてこない」

と。


 私がそのような感想を持つ理由は、どこの介護施設もありきたりな文言を使っているからです。

 そのありきたりな文言を一部紹介します。

「充実した職員研修でスキルアップ」

「アットホームな職場」

「笑顔溢れるサービス」

「やりがいのある職場」

「年収○○万円以上を目指せる」

等々。


 こんな文言でその施設の何がわかりますか?

 こんな文言で誰が

「是非そこで働きたい」

と思いますか?


 これらの文言を使って募集を掛けている施設は、どれもその施設特有の魅力が出されていないんですね。


 こんな文言を使って募集を掛けていたら

「別に他の施設でも良いや。」

となります。


 休日が多く、給料が凄く良くても精々

「候補として保留」

とされる程度です。



職員募集内容を真剣に考えないと起きる弊害

<人手不足に陥る>

 介護業界は人手不足な状態です。

 職員募集を掛けても介護職員からの応募が全然来ない状態なんですね。


 その原因として私は募集内容が真剣に考えられていない事を上げています。

 このままでは2025年までに人手不足は更に深刻化していると思います。


「今のまま2025年を迎えたら大変!」

と言うのが介護2025年問題です。


 しかし、私は

「今より更に深刻な状態になる」

と言っていますので、今騒がれている介護2025年問題よりも更に深刻な状態になり得ると考えています。


 人手が足りないので、現職の介護職員の負担はドンドン増すばかりです。

 とても危惧すべき事態ですよね。

 そのためにも、人手不足を少しでも解消するために、職員募集の内容は真剣に考えるべきなんです。



<人材不足に陥る>

 介護業界は人材不足でもあります。


「人手不足と人材不足って同じじゃないの?」

と思う人がいるかもしれませんが、少し違います。


 人手不足は職員の頭数が足りない事です。

 人材不足は頭数ではなく、強い戦力となる人物が不足することです。


 つまり人材不足とは、その施設の財産になる戦力の職員が足りないと言うことです。

 そのため人材ではなく、人財と表現しても良いと思います。


 つまり人手不足は数を見ているのに対して、人材不足は質を見ているんですね。


 どちらが良いかは施設ごとに違うにしても、募集する内容を真剣に考えないと、人手不足にも、人材不足にも陥ります。


 だから、職員募集の内容は真剣に考え抜かなければならないんです。


 人手不足にも、人材不足にも悩まないためには、今すぐ職員募集に関して

《貴方の施設だからこその魅力》

を真剣に考えましょう。




施設の魅力を考える

「貴方の施設の魅力は何ですか?」

 この部分をキチンと考えないで募集だけしている介護施設があまりに多すぎます。


 貴方の施設の魅力が自分達で分かっていないで、何を募集するんですか?


 しかもこの魅力と言うモノは、他の施設にはないような部分である必要があります。


 そのため魅力を真剣に考えて、取り組まないと先程紹介した、何処の施設でも使っているようなありきたりな文言を使った募集になってしまいます。


 職員募集は《施設》を自社製品と捉えて、売り出す感覚です。

 魅力を明確にしていない商品なんて売れませんよね?

 職員募集も同じです。




顧客に施設の魅力を聞く

<職員募集での顧客は誰?>

 自社製品を売ったり、飲食店で

《自社商品の魅力》

を考える時に、一番重要で参考になるのが顧客からのアンケート内容です。


 では、介護施設で職員を募集する時に、施設の魅力を教えてくれる顧客とは誰でしょうか?


 ご利用者でしょうか?ご利用者の家族でしょうか?

 違います。

 それは施設の入所者を募集する時の顧客です。


 とする職員を募集する時の対象となる顧客は?

 そうです。

《今現在貴方の施設で働いている介護職員さん達》

です。



<既に施設の魅力を知っている人達>

 接遇マナー等の研修で学びませんか?

 ご利用者や家族は外部顧客


 一緒に働いている職員、仲間は内部顧客と。

 職員・仲間も顧客なんですよ。


 今現在働いている介護職員さん達は、他にも同じような介護施設が沢山ある中で、今の施設を一つ選んで応募してきた人達です。


 そこには他の施設ではなく、貴方の施設にしか存在していない”何か”があるんです。


 その”何か”を認識して入職してきた彼らに聞かずして、誰に聞くんですか?


 幹部の頭の中だけで考えていても綺麗事や当たり障りのないことしか思い浮かびません。


 貴方の施設にしか存在しない”何か”

 これを知っている今現在働いている介護職員達に聞くのは絶対条件です。



<どのように聞けば良いのか?>

 そこで彼らに質問をする方法ですが、間違ってもこのようには質問をしないで下さい。

「この施設の良いところ、魅力って何かな?」


 こんな聞き方をしても返ってくる言葉は決まっています。

「え?そんなもの特にないですよ。」


 聞き方があまりにも漠然としすぎていますし、聞かれた方も困ってしまう聞き方です。


 そうではなくて、このように質問をしましょう。

「就職する時に何で他の施設じゃなくて、ここの施設が良いと思ったの?決め手は?」

等と質問をするんです。


 その部分に

「この施設じゃなければならなかった理由」


 つまり

《他の施設にはない魅力》

があるわけです。


 必ず”何か”はあります。

 それがなければ応募すらするはずがありませんからね。




顧客からの回答を分析する

<回答を紳士に受け止める>

 色々な回答が返ってくることが予想されます。


 しかし、それらは全て貴重な意見ですので、絶対に

「なんだそりゃ!下らない。参考にならない。ふざけんなよ」

のように思わないで下さい。


 自分達が実現しようとしている魅力が微塵も伝わっていなくても。

 求めているような返答じゃなくても、それでも現状の魅力としてはそれが現実です。


 職員募集のための協力を要請しておきながら、本音の回答をもらったら怒るなんて最低です。


 その場合にはむしろ、貴方の施設に職員が集まらないのは貴方のそのような部分のせいかもしれません。


 このような職員さんへの八つ当たりなんて、もっての外ですからね。



<多く集まるであろう回答例>

 介護職員さん達から多く集まりそうな回答を例示します。


 貴方はもしかしたら

「やりがいのある笑顔の施設」

と打ち出したいと考えているかもしれません。


 しかし現実は思い通りにならないものです。


 恐らく今働いている介護職員さん達に

「何で他の施設ではなく、この施設にしたの?」

と質問をすると、恐らくこのような回答が多くなると思います。


「近くて通い易かったから」

「この施設形態で他に募集しているところがなかったから」

「資格手当が沢山もらえるから」

等々。


 確かにイラっとする気持ちも理解は出来ます。

 しかし、それは受け止めましょう。

 その上で、これらが如何に重要な情報か分析出来なければなりません。


 応募してきた理由として結構多い、これらの例を一つずつ分析してみましょう!



<「近くて通い易かった」>

 これはつまり、

《近所に好印象で高く認知されている》

と言うことを意味しています。


 好印象じゃなければ、

「近所だからこそ働きたくない」

となるのが普通です。


 そのため、一定以上の好印象として受け入れられていると言う意味になります。


 更に、高く認知されていないと、そもそも募集を知れません。


 このように分析したら

「どのような部分の印象が良いのか?」

と深堀りしていけますよね。


 この聞き方ではやはり困った表情をされてしまうなら、

「日常会話で施設のどんな話題が出るのか?」

と言う方向性でこの部分は質問しても良いかと思います。


 《魅力を考える》とは別の領域の話になりますが、この回答は

「どこに募集を掛けたら効果が高いのか?」

についてもかなり有意義な回答です。



< 「この施設形態で他に募集している所がなかったから」 >

 一言で

《介護》

と言っても沢山の種類があります。


 施設によっては通いのデイサービスだったり、自宅復帰を目指す老健だったり、終の棲家となる特養だったり、福祉というより接客に近い有料だったり。


 他にも沢山ありますが、これらの違いによって介護職員の働き方から必要なスキルまで大きく異なります。


 そのため人によって

「自分に合う、合わない。」

「未経験だけど経験してみたい。」

等、求人に対しての応募理由として施設の形態も重要だったりします。


 もっとも、これは変えようがありません。

 そのため、その形態の施設だからこその魅力を打ち出す戦略になると思います。


 実は私はこれが大きかったです。

 初めての介護経験が従来特養でした。


 転職時に、様々な施設を見学しましたが、ユニット等では物足りない。


 そして結局従来型が魅力的に感じると言う理由で決めました。

 介護職員の多くは、最初に経験した施設形態が魅力的に感じ、自分に馴染むんです。


 これも、《魅力を考える》から少し離れてしまいますが、同じ形態の施設同士で連携し、自施設から退職したら斡旋し合う等の協力が出来たら面白そうですよね。


「前の施設の職員とは一切関わりたくない。」

と言う介護職員が多いので、普段交流はあまり持たず、斡旋だけ。

のような配慮は必要ですが。



< 「資格手当が沢山もらえるから」 >

「結局金か!」

と思ったなら貴方はまだまだ浅いです。


 これは

《給料》

ではなく、

《資格手当》

という部分が重要です。


 この部分に魅力を感じたと言う職員は、

《お金》

と言う部分ではなく、

《実績評価》

と言う部分に魅力を感じていると言うことです。


「頑張って取得した資格が役に立つ、評価して貰える」

と言う部分、風土に魅力を感じているんです。


 そのため金額じゃないんですね。


「キチンと職員の頑張りを評価します」

と言う部分に魅力が見出せそうですよね。


 ただしこれは今まで特に意識していなくて偶然合致しただけだと思います。


 もし

「適切に職員の実績を評価をする施設です」

と打ち出すなら、実態も伴うようにしましょう。


 そうしないと

「嘘じゃん!」

と不満だけが高まり早期退職者が増え得て逆効果になりますので。


 職員のことをキチンと見て、評価することを魅力にしたいなら。

 そのためにはこちらの記事をお読みください。




真剣に考えた、貴方の働く介護施設の魅力

 先ほどまで例示した、ありきたりな就職理由。

 これらをキチンと受け止めて、自分の施設の魅力として考えるとどうなるのか?


 簡単にまとめてみましょう。


◎、近所から印象が良く、地域密着。(何故印象が良いのかまで把握できるとより良い)


◎、ここで仕事を覚えれば、何処に行っても通用する介護職員になれる従来型特養。


、貴方の頑張りをお互いに認め合い、実績として評価する施設。


 どうですか?

「何となく」

で募集してきた職員さん達の、ありきたりな応募理由にはこのような魅力が含まれているんです。


《近所からも通える資格手当も充実の従来型特養》

と募集するのとどちらの方が魅力的ですか?




最後に

 このように自分達の施設の魅力が明確に見えたら、自分達もその魅力・強みを高めようとしませんか?


 正直自分の施設の魅力を考える意味として、一番重要なことはそこだと思います。


キッカケは

《職員募集をより効果的に行う》

だったかもしれませんが、それによって、自分達で自分達の魅力に気付け、より魅力を強化できる。


 凄くないですか?

 そんなワクワクが今すぐにでも、貴方の職場で簡単に行えるんですよ!


 だって、今いる介護職員さん達に聞くだけですからね。


 貴方の施設は

「何にも魅力がない施設」

なんかではありません


 是非、貴方の施設の魅力を探してみませんか?


 そして、魅力が見えたら次は

「どこに、どのように募集を掛ければ反応があるか?」

が重要になってきます。

 そのことについてはこちらの記事をお読みください。



 少しでも私が言っていることが

「役に立った」

「面白かった」

等、興味を持って頂けた貴方は

◎、ツイッターのフォロー

◎、記事のシェア―

◎、他の記事

等も宜しくお願いします。


 ここまで読んでいただき有難うございました。