今すぐ止めるべき、介護施設で誤嚥性肺炎を引き起こしている原因!

誤嚥性肺炎

 誤嚥(ごえん)と言うのは、食べ物を飲み込んだ際に、食道ではなく、気管に入りこんでしまう事を言います。


 それによって、気管に細菌も一緒に入り込み、引き起こされる肺炎を誤嚥性肺炎と言います。


 統計上の分類変更等の関係で、一時的に死亡者数が急増したり、激減したり、ゴチャゴチャになっているようですが、介護施設において誤嚥性肺炎で亡くなる方が多いのは事実です。


 私の今いる施設でも、私が入職した当時は多い時で半年に5名とか、そんな異常なレベルで誤嚥性肺炎で亡くなる方がいました。


 この数値は私の経験上ですが、介護施設の中でも異常に多い値だと思います。


 そこでそれを改善するために、色々と訴えかけ、取り組んだ結果、数年に1名いるか、いないかくらいにまで減少しました。


 異常な値だったころの介護方法と、改善した方法をご紹介します。




3人以上介助

<介護職員一人で大勢の食事介助>

 笑わないで下さいね。

 当時3人以上介助が当たり前に行われていました。


 3人以上介助と言う存在そのものが分からない介護職員もいるかもしれないので、簡単に説明します。


 要は、介護職員1人で同時に3人以上のご利用者の食事介助をするということです。

 図にするとこんな感じです。

3人以上介助の図

 もちろん、3人【以上】なので、4人、5人の時もあります。

 古い特養等だと、一人で何人介助出来るかの多さで能力の高低が見られる変な基準があるんですね。


 だから、一人で大勢の食事介助が出来る職員は

「すげぇ!流石です!」

と持てはやされると言う異常事態ですね。


 もしこれを読んでいる貴方の施設でもそうなっているのであれば、それは悪い方で異常な状態です!

 その場合には、貴方の施設は異常に悪い施設なんですからね!



<最大2名までにした>

 流石に特養で一人介助では無理なので、せめての形としてどんなに多く見るにしても、一度に介助するのは

【2人まで】

これをルール化してもらいました。


 それ以上一度に介助したいなら、自分の周囲にご利用者を配置して、介護職員が座ったまま一度に大勢を見るのではなく、ご利用者にはキチンとした食事席に座っていてもらう。


 そして、介助する場合に、都度介護職員がご利用者のところまで移動し、隣に座って介助をすること。

 それを何度も繰り返す事。


 介護職員が真ん中にドカッと座って動かないで、ご利用者には簡易的なオーバーテーブルなんかを使い、誤嚥リスクを増やしつつの介助なんて失礼過ぎますし、凄くも何ともありません。


 そんな介護職員は、配慮も、ご利用者のことも、何も考えられない能力の低い介護職員です。


 そんな職員を

「凄い!」

と評価していては話になりません。




ご利用者の姿勢を正す

 これは他の施設や看護師でも多く見られることですが、嚥下状態の悪いご利用者に対してリクライニングを倒す人がいます。

 図にするとこんな感じですね。


 しかし、ここまで倒すと誤嚥のリスクを高めてしまいます。


 人は食べ物を飲み込む際には、下を向いて持ち上げるようにして飲み込みます。

 それを上向きにして介助してしまうと、本人の意思に関係ない部分で食べ物が喉より奥に送り込まれてしまいます。


 それでは、飲み込む能力が低下しているご利用者では誤嚥します。

 むせ込みます。


 この部分はキチンと姿勢を正すことでムセ込みを減らしました。

 それで下を向き過ぎてしまい食べられないご利用者は、そもそも無理をして詰め込むように食べさせない判断をすること。


 クッション等を使用しても首を支えられない状態なら、それは今はご飯を提供してはダメな時と言うだけの話です。


 首をキチンと支えていられる時に栄養補助食品でも何でも提供すれば良いだけです。


 ムセ・誤嚥をしやすい角度を見る方法があります。

 それは、ご利用者の顔を横から見て、耳の穴と口角を一直線で繋いだ場合に、水平に近ければ近いほど誤嚥リスクが高まります。


 口角の方が耳穴よりも高くなったら、食べ物を介助してはいけません。

 図にするとこんな感じです。

 赤線が基準となる見る角度です。

 スプーンや箸で角度を見ると見易いです。

正常な状態


ムセやすい状態



口腔ケアをキチンと行う

 これも笑わないで下さいね。

 口腔ケアが物凄く蔑ろにされていました。


 口腔ケアをした直後なのに、食べ物のカスが口の中に大量に残っているのが普通な状態。


「口腔ケアって何だろう?」

と言うレベルで雑でした。



<うがいをしてもらう>

 そんな状態のところでいきなり

「キチンとこのように口腔ケアをしましょう」

と言ったところで浸透はしません。


 優先順位、価値観から全く違う状態なわけですからね。

 そこで、まずはせめて、うがいだけでもするように決めました。


 せめてうがいだけでもしてもらえば食べカスが口に大量に残っている状態はなくなりますので。


 その結果、思惑通りに大量の食べカスはなくなりました。



<自分は口腔ケアをキチンとやる>

 周囲はやっていなくても、自分はキチンと口腔ケアをするようにしました。

 すると、それを見ていた意識が高い職員さんは真似るようになってきます。


 そもそも、周囲の先輩達が口腔ケアを蔑ろにしていたため、口腔ケアのやり方をキチンと知らないだけの人もいたからですね。


 口腔ケアの後に、口の中に食べカスがない状態と言うだけで

「凄い!どうやるんですか!?」

と言われるくらいの低レベルさでした。


 もっと言うなら、誰もご利用者の口の開け方すら知りませんでした。

 口を閉じようとするご利用者の口を開けておく方法を皆知らなかったんですね!

 口腔ケアを蔑ろにし過ぎていた結果ですね。




最後に

 大まかにですが、入職時と今とでの違いでした。

 これだけでご利用者の死亡件数が激減しました。


 本当に今では嘘のように強いムセ込みをするご利用者は減りましたし、誤嚥によって亡くなるご利用者は数年に1名いるかいないかくらいにまで激減しました。


 今ではこれが当たり前になり、当時からいた職員さんでもあの頃の異常な状態を覚えていないかもしれません。


 やろうと思えば他にも色々とやれることはあります。

 しかしいきなりそこまでしなくても、悪い意味での異常な状態を普通のレベルにするだけで人の命が多く守れると言うことです。


 もしも貴方の施設で、今でも3人以上介助をしていたり、口腔ケアがかなり雑だったり、誤嚥リスクの高い角度で介助している等の様子があったら、一つずつでも良いので改善していってみて下さい。


 本当に気付いたら劇的に変わっていますから。

「キチンとやる。」

 これだけで人命を守れるって凄くないですか?


 そうです。

 貴方はその”凄いこと”が出来る介護と言う仕事をしているんです!


 読んだ貴方はもう一度!

 まだ読んでいない貴方は是非こちらの記事を読んで下さい!

【介護の仕事としてのやりがい。<人の役に立つ>】


 貴方は凄いことが出来る仕事をしているんです!



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