介護職員の能力。<傾聴>

2020年2月17日

傾聴とは?

 辞書的には

【熱心に聞く事】

のような感じの意味です。


 しかし、福祉の世界において

【傾聴】

と言う場合、熱心に聞くでは少し違和感があります。


 熱心に話を聞くと言うよりも、

【心を聴く】

と表現した方がシックリくるように感じます。


 元々は心理カウンセラーの姿勢としての技術ですので、心と言う文言があった方が自然かもしれませんよね。




世間のイメージ

「介護職員さん達って、高齢者と笑ってお喋りする仕事ですよね。」

 このようなことを言われる介護職員さんがいるようです。


 特養では排泄介助や食事介助、入浴介助等々、職員がバタバタしているので、あまりこの言葉を言われることはないのですが、サービス形態によっては言われるようです。


 特養経験しかない私としては、正直そのように言われる職場は誇るべきです。

 もちろん、本当にただの雑談をしていてこの言葉を言われているならどうかと思いますが、傾聴をしていてこれを言われるなら、誇れると思います。


 それだけ、ご利用者主導の介護が行えていると言うことです。

「傾聴が全ての始まり」

と言っても過言ではないと思いますので。




介護職員は話をしながら何をしているの?

 世間からは

「ただお話をしているだけ」

と見られることもある傾聴行為。


 では一体この傾聴をしている時に介護職員は何をしているのでしょうか?



<心を聴いている>

 最初にも言いました。

 傾聴とは

【心を聴く】


 何故この方が熱心に聴くよりもシックリ来るのか?

 それは、介護職員が行っている傾聴は、会話ではないからです。


 一般的に

【傾聴】

と言う文字を見ると会話をしているとイメージする人が多いようです。


 しかし

【傾聴=会話】

とは限りません。


 心を聴くわけですから、言葉を発せない人からの傾聴もあり得るわけですね。

 それは、

  • 表情
  • 口の動き
  • 必死に声を出そうとしているような態度
  • 目の動き
  • 口の開閉状況
  • 手足の動作
  • こちらから掛けた言葉への反応

等々。


 そのような部分から心を聴こうとしているわけです。

 もちろん、全ての心を見れるわけではありません。


 いくら専門家の傾聴とは言え、流石に言葉を発せる人の方が読みやすいのは事実です。

 言葉を発せない方の心は、介護職員側の推測がある程度介入してしまうのは事実です。


 しかし、それが合っているか、間違っているのか?

 その判断はその後のご利用者の反応である程度分かりますので、介護職員側の独善的なことにはなり難いです。



<要望を聴いている>

 ただ単に普通に人の要望を聴くだけなら、傾聴は不要です。

 言葉で言っている事をそのまま鵜呑みにすれば良いからです。


 しかし、介護職員が要望を聴かなければならない相手は必ずしも言葉を発せるとは限りません。

 更に、言葉を発せたとしても、その言葉を鵜呑みにして良いとも限りません。


 ご利用者の頭の中では、今目の前にいる介護職員は50年前の息子として映っているかもしれないわけですからね。


 このように、言葉を聴くだけではないですし、言葉をそのまま受け取っては要望が聴けない場合もあるため、傾聴をしないと要望を聴けないんです。


 忘れないように何度も言います。

 傾聴とは会話ではなく、心を聴く行為です。


 要望を聴く時の介護職員の傾聴がどのくらい凄いかと言うと、失語症で言葉を一切話せないだけのご利用者からの要望なら、秒で理解しちゃいます!


 普通の人が

「え?なに?声が出てないから何言ってるのかわからないよ!」

と言っているくらいの時間で要望を理解しちゃうんです。



<体調を聴いている>

 これは

「体調いかがですか?」

と言うような意味での体調を聴くではありません。


【傾聴の中で、体調の変化がないかどうかを感じ取っている】

と言えば何となくイメージしていただけるかと思います。


 この部分に関しては傾聴と【気付き】の併用になります。


 介護職員の気付き能力については

【介護職員の能力。<気付き>】

を併せてお読みください。


 介護職員は、いつも傾聴をしていると、相手の変化に気付けます。

 相手は言葉を発せない、言葉を発せても心は別にあるかもしれない、そんな方々の体調の変化までも傾聴から気付けるんです。


「彼女・奥さんの髪形の変化に気付けない」

そんな低レベルな次元の話じゃありません。




傾聴の方法

 ベテランの介護職員は心を聞く傾聴が身に付いています。

 しかし、まだ経験が浅い介護職員や、傾聴と言うことを意識せずに長年作業として介護に携わってきてしまった介護職員は中々傾聴をするのが難しいと思います。


 そこで、スキルとしての傾聴方法を簡単にご紹介しますので、意識して行ってみて下さい。

 傾聴とは、聴力で聞くだけのモノではなく、五感で聞くモノです。


 そのため

①、目を見る

②、相づちをする

③、うなずく

④、笑顔

⑤、オーム返し

 これら全てを行いながら傾聴をしましょう。


 特に重要なモノが③の

『うなずく』

です。


 何故これが一番重要なのか?

 それはうなずく行為は相手のことを承認する行為だからです。


 どんなに目を見ても、どんなに笑顔でも、

「受け入れられてないな。承認されてないな」

と相手が感じれば、心を閉ざしてしまいます。


 心を見るための傾聴で心を閉ざされてしまっては見る事が出来なくなります。

 だから、相手を承認し、その意思を伝える行為として

『うなずき』

は重要になります。


 うなずく方法としては、相手が主張している内容に納得したり、賛同する部分で

◎、大きく90°以上

◎、1~2回

うなずきます。


 相手の言っている内容を、うなずきで噛み締めるイメージでしょうかね。

 だから、相手の話を本当にキチンと聞いていないとこの頷きはできません。


 小さく小刻みに、何度も行うと承認にはならないので注意して下さい。


 まずはこれらのことを意識して、話を聞く癖を身に着けて下さい。

 傾聴で相手の心を聞くためには、まずはここからです。




最後に

 日本人は

「言わなくても分かるだろう」

と言う感覚がどこかにある人が多くいます。

 特に今の高齢者世代では。


 そんな人達には介護職員はまさにうってつけの存在と言えるかもしれません。

 声を発せなくても、ある程度理解しちゃうわけですからね。


 もっとも介護職員は家政婦ではないので、キチンと声を出せるのに

「言わなくてもわかるだろう」

と言う考え方で、わざと声を出さない人に対しては


◎、声を出して、自分の意思をハッキリと伝えて欲しいこと

◎、要望じゃなくても、純粋に声を聴きたいこと

◎、声を出すとご飯を食べる筋肉も弱らないこと。唾液が出る事

◎、脳が活性化すること

等々を伝えて、声で要望を伝える習慣を付けてもらおうとします。


 口が悪い介護職員さんだと

「○○さん、話せるんだから言ってよ!本当に声が出なくなっても知らないよ!」

みたいな言い方をする人もいます。


 しかし、そのような肝っ玉母ちゃんみたいな言葉遣いの方が心に響くご利用者もいます。

 普段全然笑わないのに、このような言葉遣いの職員さんの前では笑うこともあります。


 介護において重要なことは

【ご利用者にとってどうなのか?】

です。


【世間的に見て、サービスとしてどうなのか?】

ではありません。


 この辺りは家政婦と介護職員とで決定的に違う部分かと思います。


 このことを理解していない経営者は多いですよね。

 特に民間企業が運営していたり、有料老人ホームに多い傾向があると個人的には感じます。


 呼び方だけで、判断は出来ませんが、感情の話として私はご利用者のことを

「お客様」

と呼ぶ施設は大嫌いです。


 それでは

【ご利用者にとってどうなのか?】

ではなく、

【世間的に見て、サービスとしてどうなのか?】

になってしまいます。


 それでは福祉ではなく、それこそ家政婦さんになってしまうように思います。

 しかし、家政婦さんとして見た場合には、介護職員は低レベルです。


 介護職員でもなく、家政婦さんとしては低レベル。

 どっちつかずになってしまいますよね。

 あくまでも、個人的な感情の話ではありますが。



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