介護サービスの根底に大きな影響のある《自立と自律》の違い。

2019年10月20日

自立と自律は違う

 介護の世界で頻繁に使われている

【ジリツ】

と言う言葉。


 多くの人は

【自立】

と言う言葉を使っています。


 介護学校の教師も実習生に関する書類等で

【自立】

と言う言葉を使っています。


 更に、ネットでは

「介護の学校では介護は自立支援と言うのに、全然良くなるご利用者がいないじゃん!」

のような事を言っている初任者研修(旧ヘルパー2級)職員も多く見受けられます。


 そこで、今回は自立と自律とでは全く違う事だと言うことを説明します。


 なお、最初に結論を言うと、介護現場(特に特養)で行っていることは

【自立支援】

ではなく

【自律支援】

です。


 これは介護福祉士試験の勉強用テキストには最序盤に出てくるような内容です。

 そのため、介護福祉士試験に挑む介護職員さんは是非知っておいて下さい。

 介護福祉士で覚えていない人は、この機会に是非思い出してみて下さい。




自立とは?

 自立とは、他者の支援等がなく一人で物事を出来ることです。

 つまり、自律支援と言うと、訓練やリハビリが主な内容になるかと思います。


 今は一人で生活出来ない状態のご利用者を、一人で生活出来るように訓練するわけですよね。


 手が痺れて料理が作れないなら、痺れが取れるように、痺れている部分のリハビリをするわけですね。


 足の筋力が弱って長距離歩けないから、弱っている部分を訓練して長距離歩けるようにするわけですね。


 これらがいわゆる自立支援


 貴方の職場ではこのような支援をしていますか?

 ご利用者は、このような訓練やリハビリで支援なしに生活できるようになりそうですか?


 そうじゃないなら、貴方の働いている場所は自立の支援場所ではないのかと思います。




自律とは?

 自らの意思に従って、物事をコントロールすることです。

 つまり、自律支援は、ご利用者の意思を尊重し、残存機能を活かして出来る事を自身で行ってもらい、出来ない部分を支援するもの。


「もうすぐご飯ですが、起きますか?まだ横になっていますか?」

起きるなら

「手をベッドに付いて、体を押し上げるように起き上がれますか?バランスを崩さないように、支えますのでご安心下さい」

起きあがったら

「気分は悪くないですか?手すりを持ってそのまま座っていられますか?」

等々。


 自律支援はこのような介助ですね。




介護は自立支援?自律支援?

 このような介助例を書いていると昔は一般的だった介護福祉士の実技試験を思い出しますが、それはともかく、どうでしょうか?


 在宅介護サービスは自立支援もあると思いますので、介護と一言で言っても業態によって違いはあるかもしれません。


 しかし、私が知る限り、介護で主に行っているのは

【自立支援】

ではなく

【自律支援】

のように感じます。


 介護の場で重要と言われている

【尊厳】

と言うモノの捉え方も自律に近いと思います。


 介護での尊厳についてはこちらをお読みください。

【介護現場における尊厳とは何か?】


 すると、序盤で言ったネット上で初任者研修介護職員が言っている

「良くなるご利用者がいないじゃん!」

との意見は介護現場で【自立】を目指しているのかもしれませんね。


 自立を目指して自律支援をしているのですから、自立の観点から良くなるはずないですよね。


 自立は残存機能を使うのではなく、弱っている部分を強化しないと意味がないわけですから、支援の方法としてはむしろ自律とは逆ですよね。


 だから個人的にはいつも実習生が来る度、書類を読む度に違和感を持っているんですけどね。


「自律の意味だろうな」

と自分の中で読み変えていますが。


 是非自立と自律。

 明確に意識した支援を行ってみてはいかがでしょうか?



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