《尊厳を守る介護》とはなに?簡潔明瞭・具体的に解説します。

2020年9月26日

 介護の世界では、耳にタコが出来るレベルで

「尊厳を守れ!尊厳を守れ!」

と言われます。

 

 しかし、これほどまでに叫ばれているのにも関わらず

「尊厳を守る介護ってなに?」

この疑問に簡潔明瞭、わかりやすく説明できる講師がいません。

 

 そこで今回は出来るだけ簡潔明瞭、具体的に

『尊厳を守る介護とはなにか?』

を解説していきます。

 

 なお、その前に

「そもそも尊厳ってなんですか?」

という貴方はこちらの記事を先にお読みください。

>>>介護における尊厳とは何か?簡単に一言で言い切ると『自分で出来る事を自分でやって、笑顔で生活できること』

 

 この記事を読む事で

◎ 尊厳を守る介護を具体的にイメージできるようになります。

◎ 自分のやりたい介護像を見失った時の指針になります。

◎ 良い介護施設、悪い介護施設を見分ける基準を知ることが出来ます。

 

 それでは尊厳を守る介護とはどういった介護のことなのかを具体的に見て行きましょう!

 

 

 

尊厳を守る介護とは『笑顔を作る介護である』

 先に紹介した

『尊厳とは何か?』

の記事でも言っている通り、介護における尊厳とは

『自分でできることを自分でやって、笑顔で生活出来ること』

です。

 

 そんな尊厳を守る為にまず始めに行うべきことが

『笑顔を作ること』

です。

 

 残存機能や自立等よりも最優先です。

 

 残存機能が残ろうと、自立へ向けて訓練しようと、幸せとは限りません。

 むしろその過程はご利用者にとって苦痛です。

 しかし、笑顔でいれることは幸せな気分と直結しますからね。

 しかも、笑顔の効果は即時出ます。

 

 そのため、現時点での尊厳を守る介護とは

『笑顔を作る介護』

としました。

 

 具体例を見て行きたいのですが、介護業務全般について話をしていくと無限でキリがないので、介護現場で一番尊厳を傷つけやすい排泄介助を例にします。

 

 では、排泄介助の場面で尊厳を守る介助とはどんな介助でしょうか?

 貴方は普段、排泄介助で尊厳を守る目線ではどんなことに気をつけているでしょうか?

 

「同性介助で、丁寧に声掛けして、できるだけ肌が見えないように注意して、あとは・・・」

と考えますか?

 

 実はそれらでは必ずしも尊厳を守ることは出来ません。

 何故か?

 排泄介助によって守るべき尊厳は

『人によって違うから』

です! 

 

 どういうことか3つのケースに分けて説明していきます。

① 排泄介助を受けるのが初めてのご利用者の場合

② 排泄介助を受けるのに慣れているご利用者の場合

③ 失禁したご利用者の場合。

 

 それでは排泄介助を例として、尊厳を守る介護を更に深掘りして行きましょう!

 

 

 

尊厳を守る介護の具体例『排泄介助』

 尊厳を守る介護とは

『笑顔を作る介護』

これを意識して、それぞれのケースを見て下さい!

 

 

<①、排泄介助を受けるのが初めてのご利用者の場合>

 今で自宅で自立生活をしており、今回が介護施設の利用が初めてのご利用者。

 

 このようなご利用者の排泄介助をする場合に注意すべき点は

『肌を露出することへの羞恥心』

です。

 

 つまり、

◎、同性介助

◎、丁寧な声掛け

◎、ひざかけで肌を隠す

等の気遣いが必要になります。

 

 イメージとしては、貴方が他人に排泄介助をされるイメージと同じです。

 今これを読んでいる貴方がいきなり

◎、トイレに連れていかれる

◎、無言で異性にズボンを脱がされる

◎、異性の前で陰部を露出したまま排泄を強要される

こんなことをされたらどうですか?

 

 もしも

「それはないわぁ~警察に通報して逮捕してもらうレベルですね」

と思うなら、ご利用者の感情も同じだという事です。

 

 そんな介助をされて

「笑顔になって下さい!」

と言われても笑えないですよね。

 

 つまり、初めて介護施設を利用し、排泄介助を受けることに慣れていないご利用者の尊厳を守る。

 笑顔を作る介護をするためには、

『羞恥心』

に細心の注意を払わないといけないことになります。

 

 

<②、排泄介助を受けるのに慣れているご利用者の場合>

 ではこんなケースはどうでしょうか?

 介護施設が長く、異性介助やズボンを下ろされることに慣れているご利用者です。

 

 そのようなご利用者は介護職員にこのような要望をしてくることが多いです。

「トイレ入っていい?手伝って!」

「早くトイレやって~早くズボン降ろして~!漏れちゃうよ~!」

 

 このようなご利用者に対して

「待って下さいね!今同性の介護職員を探してきますから。」

 

「はい、ではトイレのお手伝いをさせていただきますね。まずはこの手すりを持って立ちあがって下さい。はい、ありがとうございます。では次にズボンを下ろしても良いですか?触りますね。はい、降ろしました。では次にパンツも、あ!ひざかけを掛けますので・・・」

みたいなことを一々やっていたらどうなるでしょうか?

 

「そんなことどうでもいいから早くやってよ!漏れちゃうって言ってるじゃん!!!」

となります。

 

 このご利用者にとっては慣れた介護職員さん達に

『ズボンを下ろされること』

よりも、

『失禁してしまうこと』

の方が大問題なわけです。

 

 異性にズボンを下ろされる等の排泄介助をされても笑ってくれます。

 笑顔で

「ありがとう!助かったよ!」

と言ってくれます。

 

 しかし、もしも失禁してしまったら笑顔にはなれません。

 早くやってくれなかったという事への怒りか、失禁してしまった自分の情けなさで泣き出します。

 

 このようなご利用者に対しても、羞恥心を重視した介護が尊厳を守る介護でしょうか?

 違いますよね。

 笑顔になれない介護は尊厳を守る介護ではない!

 

 それなら、笑顔になれるように、羞恥心よりも失禁させないスピード感のある介護を意識すべきですね。

 

 

<③、失禁したご利用者の場合>

 では失禁をしてしまい、既にショックを受けているご利用者の場合はどうしましょうか?

 

「お漏らしをしてしまった。私はもうダメなんだ・・・」

とショックを受けているご利用者。

 

 尊厳を守る為に

「はい、では今から同性の介護職員を探してくるので待っていて下さいね。」

「では、お手伝いをさせていただきますので、まずはこの手すりに掴まって立って下さい。では、ズボンを下ろしますので、触りますよ。はい、それでは次に・・・」

なんて介護をされても笑顔にはなれませんし、場違いで感情に寄り添ってない印象を受けますよね。

 

 じゃあ

「はい、じゃあ直ぐトイレ座りましょう!」

とスピード感溢れる介護をすれば尊厳を守れるでしょうか?

 

 それも無理ですよね。

 スピード感がある介護は

『失禁させないため』

に必要だっただけで、既に失禁してしまっているわけですから。

 

 既に失禁してショックを受けているご利用者の尊厳を守る介護は正直難しいです。

 何故なら最初からご利用者は、

『笑顔という感情と真逆の感情の中にいる』

からです。

 

 そのため正解は分かりませんが、私はどうしているのかの紹介をさせていただきます。

 私がやっていることは大きく2つです。

① 失禁衣類を視界に入れさせない

② 笑いのツボを刺激する

です。

 

 失禁衣類を見ると

「あぁ、私が汚した衣類だ。この人にこんなことをさせて、私ってダメな人間だ。生きている価値もない」

とドンドン落ちて行きます。

 

 そのため、笑顔になってもらうためには失禁した衣類を見せてはいけないんですね。

 

 次に笑いのツボを刺激するというのは、そのままです。

 笑って貰いたいわけですから、笑わせようとするということです。

 

 ご利用者一人一人によって笑いのツボは違います。

 そのため、

【普段から】

そのご利用者の笑いのツボを把握しておくことが重要になります。

 

 そして、失禁してしまっている時にこそ、ここぞとばかりにそれを刺激するんです!

 貴方が把握している笑いのツボが適切であれば

7~8割くらいの成功率

で笑ってくれます。

 

 残りの2~3割の笑って貰えないケースというのは、失禁のショックがあまりに大きすぎる場合か、他の職員が

「○○さんが失禁しているよ~!」

「○○さん失禁ですか!?これはまた凄い量ですね~!?」

等と邪魔をしてくる場合のどれかです。

 

 

 

まとめ

 教科書通りの介護をしているとご利用者一人一人の笑顔のツボなんて把握できませんよね。

 

 教科書やテキストでは

「ADLを把握して、ご利用者一人一人に合った介護をしましょう」

のようにADL・書類の内容を把握する事を推奨していますからね。

 

 しかし、

『尊厳を守る介護=笑顔を作る介護』

を行うのであれば、笑顔のツボの把握は必須です!

 

 私に言わせるとADL表に

『笑顔のツボ』

という記載項目がないのが不思議なくらいです。

 

「尊厳を守る介護をしろ!」

と役職者が言う施設は腐るほど多くあります。

 

 しかし、今の介護業界では

『ご利用者の笑顔を作れる職員』

よりも、

『業務や作業をテキパキとこなす介護職員』

の方が高く評価されています。

 

 つまり、そもそも

『尊厳を守る介護。尊厳とは?』

という部分から役職者も含めて曖昧なわけですね。

 

 しかし、もう貴方は違いますよね!

 尊厳を守る介護を具体的にイメージできる介護職員になりましたよね。

 

 もしまた

「自分がやりたい介護ってどんなだったかなぁ」

と自分のやりたい介護像を見失った時でも戻って来れますよね。

 

 ご利用者の笑顔を作れる介護職員が高く評価されている介護施設は尊厳を重視し、守れる介護施設です。

 

 言葉や文字で

「尊厳を重視した素晴らしい介護施設」

なんて表面ではなく、本質・実態の部分で良い介護施設、悪い介護施設を見分けることが出来ますよね。

 

 この記事を読んで

「私も本当の意味で尊厳を守れる介護職員になりたい!」

と思うのであれば、今日から

『介助者である貴方自身が笑顔であること』

を心がけて下さい。

 

 感情や表情は伝染します。

 介助をしている貴方がイライラしていては笑えません。

 介助をしている貴方が溜め息をついていたら笑えません。

 

 ご利用者が笑えるためには介助者である貴方が笑っていること。

 笑顔でいる事は必須条件なんです!

 

 是非一度試してみて下さい。

 

 

 この記事を読んで

「笑顔を作れる介護施設にしたい!」

と思ったのなら、私の尊厳に関する記事を是非勉強会等で活用して広めて下さい。

 

「尊厳とは?」

が曖昧で、キチンと把握できていないことが一つの原因ですからね。

 

 使う場合は是非一報下さい!

 権利がどうとかではなく、モチベーションに繋がりますので!

 

 

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